第57話

〈ユウ視点〉







ユウ「・・・・・・」





ジン「どうした?なんか問題あったか?」






午後の勤務が開始し俺が考え事をしていると

先輩が画面を覗き込んできた






ジン「・・・・なんだ…出来てるじゃないか?」





ユウ「・・・・・・・・」






俺の心配事は仕事じゃない…

さっきの休憩時間に俺はある事を確認しに

マンションへ帰っていた…

そして、思ってた通り…伊織はいなかった…





先週位から違和感があった…

伊織は平日家にいる時に買い出しや

宅配業者がくるからと

ある程度のメイクはしていたが

先週から前みたいにしっかりとメイクがされていて

「出かけたのか?」と質問しても

「買い出しに」だの「友達に会った」だの

言っているが、嘘だと感じた俺は昨日、今日と

休憩時間に家に帰って

伊織がいるのか確認しに行った





( 何処にいってんだ? )





俺が帰る時には夕飯も出来ていて

部屋も片付いているから

そこまで遅くはないみたいだが…








仕事を終えて家に帰るといつも通り伊織はいて

「お帰りなさい」と笑っている…





ユウ「・・・・ただいま…」





伊織の顔はやっぱり、ちゃんとメイクがされていて

心なしか機嫌も良さそうだった…






ユウ「・・機嫌がいいな?何かあったか?」




「ん?何にもないんだけどね…」






俺の顔を見て「ふふ…」と笑うと

夕飯の準備を続けている





ユウ「・・・・昼間何してるんだ?」





四六時中の連絡が嫌だと言っていた伊織が

こんな風に、束縛まがいな質問を好まない事は

分かっているが我慢出来なかった…




伊織は「え?」と振り返って俺の顔を

見て何かを探っているように見える…





ユウ「言えないか?」





「・・・・優君?」





ユウ「昼…帰ってきても…いないから…」





「えっ?」






伊織の戸惑った顔を見て

帰ってきたら困るのかと何となく感じ

このまま話していると伊織を傷つける気がして





ユウ「疲れたから今日はもうシャワー浴びて寝る」





とリビングから出ていき

自分を落ち着ける事にした




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