第56話

〈ジン視点〉










先日、優は伊織さんと

新しいマンションに引っ越しをした





場所は会社の近くで便利はいいが

家賃も高いだろうと思いなんでそこにしたのか

尋ねると「早く帰りたいんですよ」と言っていた





優が伊織さんに惚れ込んでいるのは

分かるが結婚もするし、ある程度年数も経てば

早く帰りたくなくなる日だって

いつかは絶対にくる…





そうなった時にあんまり職場に近いと

やりにくいんじゃないかと少し心配もしたが…






ユウ「・・・・LINEのやりとり…嫌がるんですよ…」






ジン「ん??マメじゃないのか?」






ユウ「・・・・前に言われたんですよ…

  四六時中連絡とりたくないって…」






ジン「あー!ハイハイ!なんか分かるな!笑」






ユウ「・・・・・はぁー・・」






ジン「だから早く帰りたいわけだな?笑」







面白いと思った

普通なら付き合い始めとかなら

それこそまさに四六時中連絡取りそうなのに

〈今休憩中〉とか…





酔っ払っていた伊織さんは

幼くなって可愛いイメージだったが

普段はやっぱりお堅い真面目な

お姉さんなんだなと思った…





優は、伊織さん!伊織さん!と

追いかけている感じだし…



出勤してから帰るまで追いかけてる

伊織さんと連絡が取れないんじゃ

そりゃすっ飛んで帰りたいはずだ…笑





今日もキッチリ仕事を終わらせてから

定時で帰っていく優の後姿を見ながら






ナオキ「優さん…尻に敷かれてるんですか?」






俺と一緒で残業をしている直樹が不思議そうに

優の帰って行った扉を見ながらそう聞いてきた






ジン「いや…どっちかって言うと

  自分から敷かれにいってる感じだろ?笑」






ナオキ「そーなんですか?笑」






ジン「優からしたら魔性のお姉さんなんだろ?笑」





ナオキ「あぁ…そういえば、

   彼女が酔っ払って抱きついてきた時は

   優さん、顔が・・・・」







そう、あんなダラしない顔の優は初めてみた…

きっと結婚して、子供が生まれたらますます

デレデレになるんだろう…




そう考えたら職場から近い方が

優にとってはいいのかもしれない…





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る