第27話

〈伊織視点〉








3日後に出勤してきた社長に退職願を書いて

提出すると予想通りの反応で機嫌を悪くしていた







社「・・・結婚?」





「・・・・はい… 式の準備もありますので

  来月には退職させていただきます…」





社「店の売り上げは赤字続きなのに店長は

  恋人と楽しくやってたのか…

  そりゃ売り上げ伸びないわけだな…」





「・・・・・・・・」





社「スタッフ入るまでは辞めてもらったら困るぞ」





「・・・いえ…1ヶ月後には辞めさせてください」





社「それが通るわけないだろうが!」






社長がテーブルを叩きながら怒鳴っていると

山下が「店長ヘルプお願いします」と呼びに来て

社長に失礼しますと頭を下げてから事務所を

出てサロンの方へいくとヘルプなど必要ない人数で

山下の気遣いなんだと分かった…






山「退職願は出したんですから!

  伊織さんは結婚の準備だけ考えてください!

  ほら、ゼ○シィ買わないと?笑」





「・・・私が辞めたら…」





山「私達も辞めますから大丈夫です!!」





「辞めれるかな…」






あの社長が辞めさせるわけがないし不安に

なっていると山ちゃんがクスクス笑って





山「先輩の話をした時に直樹さんと

  仁さんもその場にいたんですよ!

  色々アドバイスを貰って

  いざって時にはハローワークに相談します!」





「あぁ…相席屋にいた…」






確かにあんな仕事をしているから頭はきれそうだし

普通に訴えたらこちらが勝つに決まってるし

大丈夫なんだろうかと思っていると






山「早く潰れた方がお客様達の為です…

  途中解約でお金は戻りますし

  最近じゃ施術の照射回数を減らして

  フィルターの交換代まで

  ケチろうとしてますから…」




「え??」





山「私や伊織さんに言ったら反対するの

  分かってて真夢ちゃん達にだけ

  そう指示してたみたいですよ…」





「・・・そんな事があったんだ…」





山「だから…潰れちゃった方がいいんです…

  結婚式には皆んな参加しますからね?笑」







多分私が知らない事はこれ以外にも

沢山あるんだろう…

店長という立場なのに後輩スタッフの

現状もちゃんと見えていなかったんだと反省した…




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