第26話

〈伊織視点〉





お店に着くと山下がいい笑顔で近づいて来て

ニコニコとしているから私と優君が

こうなると想像がついていたのだろうか…




山「おはようございます!笑」




「・・・おはよう…山ちゃん…笑」




山「その呼び方久しぶりですね??

  昨日は…いい人と出会えましたか?」




「・・・山ちゃんのおかげでね…」




山「じゃあ!!優さん

  やっぱり昨日伊織さんの所に行ったんですね?」






少し恥ずかしさを感じて

なんて答えていいのか分からないでいると

「おはようございます」と

真夢ちゃん達が出勤してきた





山「お昼休憩の時話聞かせてもらいますからね!」





そう言って事務所の掲示板を指差していて

ボードには社長が今日から2泊3日で

社長仲間とゴルフ旅行にいく予定が書かれていた




( いないんだ… )




昨日の休みに対してネチネチと嫌味を

言われると思っていたからいないと分かって

少しホッとしていた…







山「えっ!!結婚するんですか?」




「・・・山ちゃんが焚き付けたんでしょ?」





お昼休憩を一年ぶりに一緒にとり

何かあっても直ぐ店舗に駆けつけれるよう

事務所でお弁当の出前を食べながら

昨日の話をしていると白々しく驚くフリをする

山ちゃんに少し呆れた…





山「バレました?笑

  だって…なんか優さん…

  伊織さんの事好きそうでしたもん…」




「・・・・え?」




山「だからわざわざお見合いパーティーにまで

  止めに行ったんじゃないんですか?」




「・・・・気にはなってくれていたんだろうけど…

  よくも知らない女、好きにはならないわよ」




山「いやいや!!確かに結婚は考えてなかった

  でしょうけど…そもそも好きじゃなきゃ

  そんな必死になりませんよ」




「条件を満たしたからって言ってたけど…」




山「条件?どんな条件です??」




「・・・食事とか…趣味とか…」





この話をしだした事を少し後悔して

目線をお弁当箱に向けていると山ちゃんが

何も言わないから…きっと気づいたんだろう…





山「・・・へぇー・・条件ですか?

  それって・・・先週ですか?笑」





「あーもう!!山下!」





山「すみません!笑

  でも、伊織さんが幸せそうで安心しました…」


 



「・・・・・・」





山「皆んな…やっと辞めれますね…

  早く社長の慌てる顔が見たいです!笑」





「そうだね」




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