第6話

〈伊織視点〉






その日のお昼に朝メッセージを送っていた

飯男から了承の返事が来ていて

少しだけ胸のモヤモヤが軽くなり

午後の仕事も頑張ること出来た





(会うのは3年ぶりだっけ…)





25歳を過ぎてからは都合のいい男はやめて

山下と相席屋通いしてたから次第に会わなくなった





車で職場近くまで迎えに来てもらい

3年ぶりに顔を見て(少し太ったな)なんて

思いながらも彼はそこそこいい会社だったし

今年31歳だから結婚もありだったりするのかな

と初めて彼との未来を考えてながら

ダイニングレストランに着くまで

「久しぶりだね?」と昔話をして盛り上がった





食事をしていてある事に気づいた…

左手の薬指にうっすらと指輪の跡がある事に…





(・・・そーゆうこと…)





どうしてこんな街から離れたお店なのかと

思っていたけどロマンチックな理由じゃなくて

彼があわよくばの下心でここにいるんだと

分かりモヤモヤしていた胸は

ズキズキと痛みを伴っていた…





自分が都合良く呼び出したように

相手も私を都合よく見ていた事にショックを受け

もう、特別な女性として見られる

賞味期限でも切れているのかとすら

思え笑えてきた…





ホテルに行こうとする彼に

「生理だから」と言って車から降りると

直ぐに連絡先を消去した…





「虚しくて…寂しい…」





ため息を吐きながらマンションに入っていき

今日もまた中々寝付けないでベッドの上で

ひたすら寝返りをうっていた…



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