世界最強の技を再び〜凡人と天才
お披露目会当日。
ヨハンは複数の貴族と軽く会話をし、
会場を抜け出した。
はぁぁ
「お披露目会面倒くさいな」
顔を顰め、ポケットに
手を突っ込みながら呟いた。
「君でもそう想うんだ」
後ろから、少女特有の高い声が聞こえた。
後ろを振り向くと、
銀色の髪を腰近くまで伸ばし、
深紅の瞳を持つ少女が居た。
「誰ですか?」
少女は微笑みを浮かべたまま、
何も言わず去っていった。
少女は少年を見て、母を想う。
この時、お互いに 2年後に再開するとは
予想もしていなかった。
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冷たい風が漂う10月下旬、紅葉が芽吹き、
銀杏の香りが鼻にツンと来る頃。
ルビーは魔法学校に入学する為、
馬車の前に佇んでいた。
僕らは見送りをしていた。
父さんは
「ルビー。魔法の勉強も大事だが、
交友関係を広げてこい。」
母さんは
「休みには彼氏でも連れてきなさい。
後、体調に気をつけるのよ。」
僕は
「姉さん。怪しい人が居たら逃げてね。
意地を張らないで。」
姉さんは
「魔法も友達も努力するわ!
体調も問題なし!
王都では友人と一緒に歩くことにするわ」
一通り話し終え、
ルビーは飛車に乗り込んだ。
父さんは震えている母さんの手を握り、
姉さんを見送った。
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姉さんが旅立って以降は、
僕と父さんはひたすら剣を振っていた。
無属性魔法身体強化を使いながら。
母さんも、暇な時は僕達の訓練を見ていた。
剣を振り続けて一年半、
僕はようやくゲーム時代の動きを再現した
地を這うように駆け、斬りかかる。
剣を両腕で切り替えながら、斬る。
前転、後転、あるいは地を駆け、離脱。
剣を投擲。その剣を空中で再び握り、斬る。
これを順番をバラバラにして繰り返す。
身体強化を使った無理な方法で。
凡人の肉体と天才の頭脳が
生み出した一種の完成系だ。
両腕、両足の筋肉は張り裂け、
血が滴っている、
ただ剣を振るという気力により再現した。
全身から血が吹き出し、
足元がふらつきだした。
にぃ
そんな状態でも、肉体が超越し出した快感に
笑みが止まらなかった。
いてぇ..いてぇ...でも嬉しい...
「あっはっはっは」
そんな息子を複雑な表情で両親が見ていた。
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書き続けるかは、
コメント、いいね、フォロー次第で
決めるので、宜しくお願い致します。
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