「剣鬼」修羅

月日は流れ...


3月上旬、桜の花が舞う頃。


ヨハンは5歳になった。


お披露目会が間近に迫っていた。



ヨハンは侯爵家次期当主であり、

辺境伯領周辺の貴族の取り纏め役として

幼い内から接触する狙いがあるのだ。



ヨハンとしては、

この5年間外に出ることも

剣を振ることも許されず、

非常に焦っていた。



そんなヨハンに、ミハエルが

ようやく外出の許可を与えた。


更に剣術・魔法の師としてミハエル自身が

教えることにしたのだ。


許可をもらった翌日から、毎日

ヨハンは、剣と魔法の練習に励んだ。



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毎日毎日剣を振り、魔法を使う修行を行う。


ヨハンはとても楽しかった。


実力がついているのが、

目に見えてわかるからだ。


そして剣を振る毎に想う。


死の森の魔物と戦いたい...


血湧き肉踊る戦い。


命と命の賭け合い。


興奮、快楽、愉悦、渇望...


「はぁっはぁ」


にぃ


満面の笑み。


嬉々として剣を振る姿。


拙い剣術には何故か凄みがある。


一体何時間剣を振っているのか。


汗が地面に落ちたのは何回目だろうか。


あぁ...人は彼のような人をこう言う


      「剣鬼」修羅 と。



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