短編作品3 妹に拘束されました……。
学校の授業が終わり、友人と会話しながら自宅へと帰宅した
焼き魚に味噌汁、サラダと野菜炒めといった日本食を中心にバランスを考えた手料理にいつも感謝をしてしていた。
兄のために一生懸命世話をしてくれる妹は学校でも優秀で周りからも注目を受けている。
長い艶のあるロングヘアーに雪のように白く美しい肌で、おまけに高校生のわりにグラビアモデル並のスタイルで巨乳だ。
「ねえ、お兄ちゃん?」
「ん? どうした」
「今日の昼休みに一緒にご飯を食べていた人って、お兄ちゃんの彼女?」
「いや、普通の仲の良い友達だけど」
梓の作った野菜炒めを箸でつまみ口に頬張りながら答える。
「そう、なら良かった。じゃあ、お兄ちゃんはまだ誰の物でもないないんだね」
笑顔で話しかけてくる妹に妙に不審に思っていると、急に視界が歪みだす。
「……なっ……なんか……目の前が……」
立ち上がろうと雅史はするが、身体が鉛玉のように重くいうことが利かない。
「きっと授業を一生懸命受けたせいで疲労が溜まったんだよ。だからゆっくり休んだ方が良いよ」
何か企んでいるような笑みを浮かべる梓の表情を最後に雅史は気を失うのであった。
☆
目覚めると妹である梓の部屋のベッドの上で目が覚める。
起き上がろうとした時、両手両足に手錠を繋がれていて身動きが取れない。
気を失うまで居間で梓と一緒に夕食を食べていたのが、いつの間にか梓の部屋にいるのに衝撃的だった。
「やっと起きたね、お兄ちゃん」
「梓、これは一体どういうことなんだ!? 早くこの手錠を外してくれよ」
ドアの前で腕を組んで寄りかかっている妹に頼むが聞く耳を持たない。
「無理に決まっているでしょ。このまま監禁してないと、また浮気する可能性があるかもしれないから」
「浮気? 何言っているんだ?」
梓の言葉に理解ができなかった。結婚すらしていないのに浮気も何もないし、二人は兄妹で付き合ってもいない。
「私以外の女と話しをしたんだから浮気に決まっているでしょ」
「たかが会話しただけで、浮気って……、そもそも俺たち兄妹だろ」
「兄妹でも血は繋がっていない兄妹なんだから結婚はできるよ」
実は雅史の父親は再婚して、義理の母親の連れ子が梓だった。
普通に兄として接してくれる優しい妹だったのに、今日はまるで別人のように変わり果ててる。
「血は繋がってないとしても世間の常識を考えろ! 妹と付き合うなんて無理に決まっているだろ、世間に知られたら恥ずかしくて生きていられないぞ!」
「生きていられないなら二人で死のう」
梓は後ろで組んでいた手を戻すと、右手にギラついたバキバキに研いでる包丁を雅史に向ける。
「待て待て待て! どうしたんだ!? 落ち着け梓! 今日のお前は少し変だぞ一体なにがあったんだ!?」
すると梓は眉間に青筋を立ててブツブツ独り言のように呟く。
「最近学校で私以外の女とイチャイチャイチャイチャイチャイチャ――ああ! イライラする! お兄ちゃんに近づいていいのは私だけなの!」
目を大きく見開き、険しい表情の梓に身体全身震え上がる。
へたに刺激をしたら何されるか分からない。
「落ち着け、女友達と話ししただけだろ。別にイチャイチャしてないし好意も抱いてないからその包丁を俺に向けるな!」
「だったらこの紙にサインをして」
梓は机の引き出しから一枚の紙を取り雅史にそれを見せる。紙には『契約書』と文字が書かれていた。
契約書の内容を見ると過剰書きに内容が書かれている。
一、妹に毎日愛していると報告する。
二、妹以外の女性とは口をきかない。
三、妹以外の女に半径一メートル近づかない。
三、婚姻届を書く
…………他にも書かれているがバカバカしくて読む気にもなれなかった。
「こんなふざけた内容が書かれた契約書にサインなんかできるかっ!!」
「そう。それじゃこのまま一生ここで監禁されるか、それとも私と死ぬか選んで」
「どっちも選ばん! それに一生ここで監禁は無理だろ、両親に監禁しているのバレたらお前、叱られるだけじゃすまないぞ!」
今両親達が海外旅行で一週間帰ってこない。だが、こんな現状を見られたらきっと梓は怒られるだけじゃすまない。間違いなく
「お兄ちゃん。以前ベッドの下に隠してあったエッチな本がお母さんにバレたこと覚えてない?」
「……覚えているけど。それがこの監禁と何の意味があるんだ?」
「そのエッチな本『男の人が縛られて興奮するアブノーマルなジャンル』だったよね」
うっ、と雅史は顔を引きつってしまう。
忘れもしない最悪な思い出、父親に見られるのは別に気にはしなかったが、義理の母親に見られたのは死ぬほど恥ずかしかった。
しかもそのまま黙っていてくれればいいものを、何をあろうか父親と梓がいる居間へ持ってきて二人に公開させられて、顔面が真っ赤なトマトのように変わるほど恥ずかしい思い出が脳裏に蘇った。
さらに続けて梓は話し始めた。
「もしお父さんやお母さんに見られたとしても、無理矢理変なプレイを迫られた、と言えば叱られるのは誰だがわかるよね、変態お兄ちゃん」
妹に弱みを握られたのは一生の不覚。この状況は非常にまずい、と思った雅史だったが、さらに彼を追い込む不幸な事態が起きてしまう。
「なあ……梓、ちょっとマズいことになった」
「マズいって何が? 言っとくけど、いくら説得したところで手錠は外さないわよ」
「……トイレに行きたいんだ」
雅史は急に便意を催してお腹が悲鳴を上げていた。
元々雅史のお腹は
「そんなこと言って、手錠を外した隙に逃げるつもりでしょ。そうはいかないんだから」
腕を組んで仁王立ちをする妹に必死にトイレ行きたいと
お腹のうめき声が段々大きくなり、雅史の額に大量の脂汗が流れ始めた。
本当にトイレに行きたいのだとわかった梓は部屋に置いてあるゴミ箱を取り、雅史のお尻の近くに置いた。
「これに出していいよ」
「出すかっ! ゴミ箱にウ○コ出すんだったら、いっそのことここで漏らしてやるわっ!」
「あっそ、ならどうぞ」
「お前、自分のベッドに兄の汚物をまき散らす事になるんだぞ。嫌じゃないのか?」
「別に、お兄ちゃんのウ○コだったら部屋にぶちまけても気にしないし、汚れてるお兄ちゃんもなんか興奮する」
「お前も人のことが言えないド変態だなっ!」
この妹のかなりのアブノーマル派だった。
この状況の打開策考えているとチャンスが訪れる。
玄関のドアベルが部屋に鳴り響く。
「出なくていいのか?」
「出るわけないでしょ」
「そういえば、母さん何かネット注文していたからそれが届いたんじゃないか。もし、荷物を受け取らなかったらきっと怒るだろうな……」
「……ハア、わかったわよ。ここから逃げないでよね」
舌打ちし、しょうがなく梓は部屋から出ていった。
辺りを見渡すと机に小さな鍵らしき物が目に入った、雅史は勢いよくベッドから落ちて机の方に向かう。
落ちた瞬間、お尻から汚物を出しそうになったが、なんとか
机の
それを何回か繰り返していると、机の上から小さい鍵が二つ、真の顔目掛けて落ちてきた。
その鍵を手に取り何とか手錠で縛られていた両足両腕を解除し解放された。
「あっ! 目を離した隙にっ!」
部屋の扉の方に雅史は目を向けると、美琴が驚いた表情でこちらを見ていた。
「スマン梓!」
素早く梓の背後に入ると彼女の腰に両手を回し、がっちりロックをしたら背中を思いっきり反って梓の後頭部を床に叩きつけた。プロレス技のバックドロップだ。
頭部を強く強打した梓はそのまま気を失い、その隙に雅史は急いでトイレに向かい無事、用を足すのであった。
この一件を旅行から帰宅した両親に伝えると、母親は鬼のような形相で梓を叱るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます