48million ～国民総アイドル社会～

ボーナストラック

ネタバレのない登場人物紹介

【前津（まえづ）ツルマ】

　中京第二首都（セカンド・キャピタル）の私立高校に通う少年。小学校からの幼馴染であったアイドルの金山チクサを応援しているが、勉強への専念を両親に厳しく強いられていたため、中学時代の三年間はライブや握手会などのイベントに一度も行くことができなかった。

　名前の由来は名古屋市内の地名「前津」と「鶴舞（つるまい）」から。

【前津ヒサヤ】

　ツルマの六歳上の兄。中京第二首都（セカンド・キャピタル）のトップ大学で多趣味な学生生活を送る天才青年。卓上端末（インターフェース）の自作、自動車のマニュアル運転、音楽、ゲーム開発など手を出したことのある趣味は二十以上に及ぶと豪語している。

　名前の由来は名古屋市内の地名「久屋（ひさや）」から。

【金山（かなやま）チクサ】

　東海ミリオンで活躍していた十六歳のアイドル。亡き母に聞かされて育った数世紀前のアイドル「レナちゃん」の物語に憧れ、本物のアイドルを目指している。頑なな黒髪派。大人しい性格ではあるが芸能活動への熱意は人一倍強く、東海ミリオン在籍中は歌唱やダンスの特訓を必死に積んできた。

　名前の由来は名古屋市内の地名「金山」と「千種（ちくさ）」から。

【金山コウゾウ】

　チクサの父親。区会議員を務める。国民総アイドル社会といわれるこの国にあっても根強い芸能否定派で、一人娘が動画配信や定例握手会といった義務活動の範囲を超えて芸能活動に興じることを快く思っていなかった。

　名前の由来は名古屋市近傍の地名「高蔵寺（こうぞうじ）」から。

【小牧（こまき）カスガ】

　東海ミリオンの現役アイドル。チクサと同い年の十六歳で、チクサとはルームメイトとして三年間寝食をともにした仲。流行に従って髪を赤に染めている。性格上、チクサのお姉さん役に回っていたが、本当は誰よりアイドル精神に燃えるチクサに憧れの気持ちを抱いていた。

　名前の由来は名古屋市近傍の地名「小牧」と「春日井（かすがい）」から。

【江坂（えさか）ミクニ】

　関西ミリオンから東海ミリオンに移籍してきた十四歳の中学生アイドル。遺伝子操作で欧米人のような金髪を与えられて生まれてきた。エリート候補生を自負しているが、未だに人気投票四ケタ台の壁を抜け出せない自分に苛立ちを感じてもいる。

　名前の由来は大阪市内及び近傍の地名「江坂」と「三国（みくに）」から。

【キタガワ】

　国内最大級の男性芸能プロダクション「JDC（ジュニア・ドリーム・カンパニー）」の中京ブランチ支社長。数百年にわたって男性芸能人の業界を支配してきた経営者一族の御曹司であり、父親の急逝により若くして「キタガワ」のビジネスネームを襲名している。若者の夢を応援することが一族の天命と信じている。

【黒笹（くろざさ）ミヨシ】

　チクサのマネージャーを務めていた「オータム」の男性スタッフ。

　名前の由来は名古屋刑務所の最寄駅「三好ヶ丘（みよしがおか）」とその隣駅の「黒笹」から。

【杁中（いりなか）カワナ】

　ツルマが卒業した私立中学で英語を教えている若い女性教師。

　名前の由来は名古屋市内の地名「杁中」と「川名（かわな）」から。

【栄（さかえ）クリス】

　東海ミリオンのトップに君臨する十八歳のアイドル。今世紀で一番の逸材と言われているが、数々の名誉に飽きることなく更なる高みを目指そうとする努力と策略の神。

　名前の由来は名古屋最大の繁華街「栄」と、名古屋っ子の待ち合わせスポットとして愛される「クリスタル広場」から。

【錦（にしき）スミヨシ】

　東海ミリオンの総支配人を務める「オータム」の幹部の一人。口髭がトレードマーク。

　名前の由来は栄エリアの盛り場「錦」及び「住吉（すみよし）」から。