第11話[家族]

その日の晩。

俺は家族に笑われていた。

セツコを見て気絶。

そんな事で魔物と戦えるのか?

などと言って、父と母は楽しそうに笑いやがる。


「きっと前世で嫌な事をされたんだよ」


などと言って父と母に反論してみるが、そういったのを信じない二人は何かのギャグだと思い再び笑い合っていた。

くそ、本当なのに……。

そんな俺の頭をルリ姉が撫でてくれる。


「パパ、ママ、あまり笑ったらタッティーナが可哀想よ」

「タッティーナはきっと女の人が苦手なのね」


そう言うとルリ姉は俺をフォローしてくれた。


「確かに、タッティーナったら女の人の前だと私達の後ろに隠れるわね」


「うむ、タッティーナには魔王を倒して何処かのお姫様と結婚して貰わないと困るのに」


「そうね……」


首を傾げ溜め息を吐く両親よ。

悪いが俺はこの世界でも一生童貞だ。


「もう、パパもママも止めて」

「タッティーナはずっとこの家で暮らすんだから」


ルリ姉に抱きしめられる俺を見ながら両親が笑う。


「ガハハ、それもそうだな」


「そうね、家族皆んなずっと仲良く暮らしましょうね」


家族皆んなで笑い合う中、俺は出来れば引っ越したいと願っていた。


第11話 完

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