Load to おっぱい ~おっぱいを揉みたいがための物語~

@kandenEFG

エピローグ

第1話 旅立ち

 

 ズド~~~ン!!


「ふぅ…」


 レクトは日課である食料となる動物、または魔物の狩りをしていた。


 今日は熊を討伐して、一息ついたところだった。


 そして、レクトは討伐した熊を抱えて、家路についていた。


 途中、念のために人界と魔界を隔てる結界を司る神殿…と言っても、魔石の結晶が浮いているだけの場所に立ち寄って、様子を見た。


「…まぁ、問題ないわな…」


 いつもと変わらぬ風景にレクトは神殿を少しだけ見てから、直ぐに家へと向かったのだった。




「おかえり~お兄ちゃん。」


 森の中にポツンと佇んでいる1階建ての小さな自宅に到着すると、妹であるフリルがテーブルについて、クッキーを食べながらレクトを出迎えた。


 レクトは黙って、討伐した熊を家に入れようとするが、扉が小さくて入らなかったので、外に放り投げた。


「解体はお前やってくれよ。

 とりあえず、今日のノルマは達成したし。」

「分かった~後でやるわ~」


 フリルはレクトに手を振って、返事した。


 レクトはドカッとフリルの向かいの席に座って、両肘をついて、何やら考えているようだった。


「どしたの?お兄ちゃん?

 なんか真面目な顔してるけど?」

「…いやな…思ったんだが…というよりも、ずっと思ってたんだが…

 俺らって、別にここにいる必要ないよな?」

「何言ってんの。

 代々、結界を守ってきたんだから、お父さんとお母さん、亡き今、私たちが守んなきゃでしょ?」


 フリルはクッキーを食べながら、当然のようにレクトに言った。


 レクトはドカッと、机に身を乗り出した。


「だってよ!!

 結界を破ろうとする魔物も人も今までいなかったし、そもそも人なんて、こんな辺境の地に滅多に来ねぇし!!」

「でも、魔物は平気でこっちに入ってくるでしょ?

 それはどうすんのよ?」

「魔物だって、こっちに入ってくる奴いるけど、迷い込んだ奴ばっかだろ!!

 たまに襲ってくる奴もいるけど、大概、話し合いで何とかなるし!!」

「その襲ってくる奴が危ないって言ってるんだよ。

 少ないってのは分かるけど、平和なら平和で良くない?

 何をそんなに嫌がってるの?」


 フリルはレクトを落ち着かせるため、クッキーをレクトに差し出した。


 レクトは差し出されたクッキーをガブっと頬張った。


「お前は良いのかよ?

 こんな辺境の地にずっと暮らすの、嫌じゃないか?」

「べっつに~~辺境って言っても、定期的に行商人が来てくれるから、食事もお菓子も何とかなるし~

 まぁ、いざとなったら、私も狩りできるし。

 てか、お兄ちゃんより、私のが狩り上手いし。」


 レクトは本当に平気そうなフリルを見て、心に決めた。


「…分かった…じゃあ、俺だけでもこの家を出ても、問題ないってことだな?」


 フリルはハァとため息をついた。


「別にいいけど、なんでそんなに家を出たいのよ?」


 レクトはフリルを真剣な表情で見つめて、意を決して、言った。




「…俺はおっぱいが揉みたいんだ!!」




 思わず、フリルは頬張っていたクッキーを落として、言葉を失った。


 レクトは呆然としているフリルを他所に話を続けた。


「俺は一度でいいから、おっぱいが揉みたいんだ!!

 それもデカいおっぱいだ!!

 それはここにいては達成できない、俺の夢なんだ!!

 分かるか!?妹よ!!」

「いや~意味分かんないよ~

 マジでキモイよ~~

 しかも、当回しに私の胸が小さいと言っていることに腹が立っているよ~」


 フリルは笑顔ながらも呆れた様子で、レクトに答えた。


 レクトは拳を握りながら、力説していた。


「流石に妹に手を出すほど、俺も落ちぶれてはいない…

 しかしだ!!

 このままだと、お前でもいっか?ってなりそうで、怖いんだよ!!

 だから、妹よ!!

 家に出ることを許してくれ!!」


 フリルは指で魔方陣を書き始めた。


「こんな身近に私の貞操の危機があったなんて、夢にも思わなかったよ。

 許しても何も、こんな変態と一瞬でも一緒にいたくないから、どうぞ、出てってください。」


 ドカ~~~ン!!


 フリルは魔方陣を指ではじいて、物凄い強風を発生させて、レクトを家ごと吹き飛ばしたのだった。




 家からかなり遠くまで飛ばされたレクトは空を見上げながら、誓った。


(…待っていてくれ!妹よ!!

 必ず、おっぱいを揉んで、帰ってくるから!!)


 そうして、レクトのしょうもない目的の旅が始まったのだった。


 続く

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