落下速度を計算できない恋
柴チョコ雅
第1話 亘一(こういち)
水着姿に一目惚れしたと言ったら変態エロって言って逃げちゃうんだろうな。
高2の春、その
同じクラスになった同中出身の香織にあることあること暴露されたのだ。全部身に覚えのある事、身から出た錆そう言うんだろうけど過去のイケてない写真までクラス中の女子にばら
幸い、男子友達には恵まれ、これはこれで下ネタ言い放題だしカッコ付ける苦労もしなくて良いと割り切ることにした。大好きな5本指靴下をさらして生きていくことにもしたけど付き合ってる話とか聞くと隙間風が心に吹くのは否めなかった。
文化祭も、ガチ運動部バレー部を活かした体育祭も女子からの声援もなく過ごした俺は10月の修学旅行の頃はかなりヤサグレていた。
プールの無い高校にとって唯一の同級生の水着を見るチャンスを逃さない事にしたのだ。沖縄の修学旅行で、ダイビングとか水牛とかカヌーとかのコースは選ばず、ガチ水着を見るための海辺コースを選んでやった。ザマアミロ女子ども。俺に水着姿を見られてしまうのだ。嫌だろう。…自虐的だ。
しかし、実際はあまり過激な格好は先生に止められて大概の女子達はTシャツ短パンとかラッシュガードとか羽織っていた。でも、制服に比べれば露出は高めで、体形が丸わかりだ。ところがだ。海辺コースを選んだ女子達は、こぞって何が自慢なんだか、細い足か?無い胸か?細すぎたり日に焼けて黒かったり、小学生と変わらないという色気のなさだった。
がっかりしていると、男子達がざわめき始め、そちらに目を向けた。あの可愛いメガネっ娘がメガネ無し水着姿でいた。色白は顔だけで無く全身で、清楚系のつもりかワンピースタイプの白い水着でラッシュガードを羽織ってたけど、胸の谷間やら、綺麗な鎖骨やら柔らかそうな太ももやらが目を引いた。
そう、ひときわエロかった。
見たやつの報告によると、水着の背中はぱっくり開いていて細いリボンで結ばれていたらしい。彼女の綺麗な背中を数人の男子達が凝視しているのがバレてそれからはラッシュガードを脱がなくなってしまったらしい。
背中、俺も観たかった。
ずっと彼女を目で追っていた。すると俺の大嫌いなクラス内カップルの男がまとわりついているのを目にしてしまった。彼女が海に落ちると腕をつかんで助けるのだ。自分の彼女はほっといて。彼女彼女まぎらわしい。区別する。普段メガネっ娘で水着姿がエロい彼女はこれから姫と呼ぶ。
他の女に触った汚い手で姫に触るな。そう叫びたい声を抑えた。姫にとったらほとんど話した事の無い俺よりも悲しいかな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます