2018年 9月20日

いつの時代も、休み明けの学校程憂鬱なものはない。


それは、大学生になっても変わらず、久しぶりに見るキャンパスを前に、どうにかしてそのまま帰宅できないものかと、必死に考えを巡らせていた。


「…何しているの?」

構内への入り口で立ち往生していると、後ろから声をかけられた。

声の主は、呆れた顔で私を見ている。


「おはよう。今はね、どうしたら出席扱いの状態で、授業を受けずに帰宅できるか考えていた所だよ」


「藍河…、君は本当に、変わらないね…」

彼の表情が、呆れから憐みへと変わった。


「丁策、有意義な時間の使い方を模索することは、とても大事な事だ」


「仕方ないな…。休み明けの学校が怠いのは分かるからね。君に付き合うよ」

丁策が苦笑しながら答える。

「けど、せっかく大学まで来たのだし、出席は取ってからさぼらない?」

端正な顔立ちの彼が笑うと、同じ男でもドキッとする。長い睫毛と、透き通る肌が羨ましい。


「賛成」

口元を緩めながら答える。

何だかんだ、付き合ってくれるのはとても嬉しい。

彼の誘いに、私は、童心に返ったような気分になっていた。

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