第2話 天界から帰宅

「そういえば一之瀬って奴ここに来なかったか?」

「意識が朦朧とした状態で残ってて病院に搬送されたのちに死亡したので貴方の少し前にここ【天界】にはいらっしゃいましたがいろんな検査や本人の未練とかを考慮した上での適性を検査することになったので貴方の方が先に異世界へ旅立つことになりました」

「病院から連絡を受けてすぐに伝えられたのかその後すぐに...そういえば俺は今仮死状態なんだよな?」

「はい今は魂がここにいるのでもぬけの殻になってる状態です」

「ふーん」


俺は習得したスキルを見ながらあることを思いついた


「日本に帰るか」

「あれ?異世界に行かないんですか?それともまた何か悪いこと思いついたんですか?」


リーファが心底呆れたような眼差しを向けてる。まさしくその通りだ。


――《魂之扉ソウルゲート》!


このスキルは魂を操る魔法と接続する魔法とゲートを合わせて作った俺のオリジナル魔法だ。はじめてのオリジナルがこれってどうなんだろうか。


「じゃあ戻るか」


扉の中へ吸い込まれるように入る。急に眠気が出てきたな仮死状態だからか...


「意識戻ってきた!」

「お兄ちゃん大丈夫?」

「おい朔夜記憶あるか?」

「九条君頭痛くない?」


みんなが次々に心配してくれている。


「あーうん大丈夫だ心配かけてごめんな」

「一之瀬だけじゃなく朔夜まで死んじゃうかと思ったよ」


明るい雰囲気が一気に沈んだ空気になる


「すまない」


申し訳なさそうに龍之介が俯く。


「何はともあれ意識が戻って本当に良かったよ」

「ハハハ大袈裟じゃないのか」

「大袈裟じゃねーよ急にずっこけたんだからまじで吹き出しそうになったわ」

「じゃあ私はこれで兄さんもお体に気をつけてください」


葵が出ていくと開口一番に


「九条の妹ちゃん噂以上の美少女じゃん」

「しかもあの見た目に加えて運動神経バツグン勉強でも満点余裕なんだって?」

「妹さんかわいいね意識がない時はお兄ちゃんっと呼んでたのに戻ってからは兄さん呼びになってるツンデレみたいで可愛い!」

「一応病院だから静かにな」

「九条さん検査に参りました」

「じゃあな朔夜俺たちこれでお暇するぞ」

「おうまた今度な」


・・・


「後遺症等もみられないので帰っても大丈夫ですよ」

「ありがとうございました」


荷物を持って病院を足早に去ると。念のためにとリーファをミュートにしてたのを解除して荷物を空間収納にしまった。


「人気者なんですね」


淡々と告げてくる。これすねてるな。


「勝手にミュートにしてて悪かったって」

「私の声は貴方以外には聞こえないので大丈夫ですよ」

「え?そうだったの?」

「まったくスキルぐらい確認しておいてくださいよ」


道中説教を受けて家に着いた


「ただいま」

「お兄ちゃんおかえり大丈夫だった?」

「うん検査でも異常はなかったから」

「お父さんとお母さんには連絡しておいたから安静にしててね」

「何から何までありがとうな」

「どういたしまして今日はカレーだよ!」


いつもの葵に戻ってきたな。


・・・


夕食を食べて今日は早々に寝ることにした。念のため明日と土日で休養することになった。この三日間で異世界の方でも観光するか。そんなことを考えながら瞼が重くなる。

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