オオカミの本性 #5

りく先輩「いや...さっき言った事。謝りたかった。」


れん先輩「俺は別に気にしてねえよ。何年一緒に居るんだよ笑 過去のことは別にどうでもいいって言っただろ。」


りく先輩「あぁ、れんはさすがだな。こういう時まで完璧なんだねっ。ここちゃんのこと好きなの?」


れん先輩「好きだ。だからまたいい加減な気持ちで奪おうってなら俺はそこは許せねえ。」


りく先輩「ごめん。俺も本気なんだ。」


れん先輩「そうか。なら男らしくお互い頑張るか。でも1つ。りょうが邪魔なんだよ。」


りく先輩「そうだ、ここちゃんとりょうを引き離すいい方法がある。これから俺に任してくんない?協力してくれる?」


れん先輩「...まぁいいけど...あんまり変なことすんなよ。」


りく先輩「あぁ。大丈夫。」


れん先輩(任せるのは心配だな...でもこういう時に頭が切れるのはりくの方だし任せてみるか...)


----------お風呂------------

心愛(下着もないのにバスローブ...なんか違和感すごい...でもこんな状態でれん先輩と一緒に寝るって...大丈夫...!?)


----------リビング------------

心愛「あ、あのっ...あがりました...//」


バスローブを着て恥ずかしながらリビングに行くと、何も無かったかのようにソファに座ってテレビを見るりく先輩とれん先輩。


りく先輩「ここちゃん!さっきはごめんねっ。僕、いきなりれんと一緒にいるの見て嫉妬してっ...」


心愛(あれ...?さっきと違う...いつものりく先輩だ...)

「い、いやいやっ!りく先輩って、いつもここに居るんですかっ??」


りく先輩「いつもってわけでもないけどここすごい居心地良くて、暇な時はよくいるかもっ笑 細かくは言えないけど僕ここに入る方法があってねっ!」


れん先輩「お前、それ俺に教えろよ。何かとここに来て勝手にくつろぎやがって...」


りく先輩「え〜、そしたられんが入れないように何かするじゃんっ。僕は狭い自分の部屋より居心地いいんだもんっ!」


れん先輩「何しても入ってくんだろ。」


心愛「え、えっと...」

(あれ...?仲直りしてる...?)


れん先輩「心愛おいで」


そう言ってれん先輩は立ってお風呂横の洗面台の方に行き出す。


心愛(...?)


着いていくとドライヤーを手に持つれん先輩。


れん先輩「風邪ひくぞ」


心愛「えっ...あっ!自分でします!!れん先輩もお風呂入らないと!」


れん先輩「お前の髪を乾かしたら入る。」


れん先輩が後ろに周りドライヤーに電源をつけ、私の髪を乾かし出す。


心愛「あっありがとうございます...」


れん先輩「俺がしたいだけ。お礼なんかいいよ」


心愛「でっでも...」


れん先輩「いいからっ。じっとしてろ」


心愛(なんか付き合ってるみたい...一緒に住んだりしたらこんなことするのかな...って何考えてんの私.. )


しばらく長い髪を丁寧に乾かしてもらい...


れん先輩「はいっ、終わり!俺が風呂入る間ちゃんとりくに警戒してろよ。」


心愛「はっはいっ!今日は色々ありがとうございますっ...」


すると私の頭に手を置いて身長の低い私に目線を合わせるため背中を曲げるれん先輩。


れん先輩「お前は何も気にせず一緒に居てくれたらいい。いいな?」


心愛「!?は、はいっ...//」


私の頭から手を離しお風呂に入る準備をしだす。


心愛(なっ、なんで私照れてるの...!?最初会った時あんなことされた相手だし...隙見せちゃだめってりょう君からも言われてるのに...とりあえずリビング戻ろ...)


----------リビング------------

りく先輩「やっと戻ってきた〜!着いていこうかと思ったけどあんまりいい雰囲気だったからお邪魔かなと思って待ってたっ!」


私は言われた通り少し警戒し、ソファの後ろに立っていた。


心愛(邪魔って...りく先輩私に好きになったって言ってたし...今までれん先輩の好きな人奪ったって...それならついてくるはずじゃ...)

「1つ聞いてもいいですか?」


りく先輩「ん?なになにっ?」


心愛「れん先輩の好きな人を奪ってきたって話...ほんとにあんな気持ちで奪ってきたんですか...?」


りく先輩「うんっ。今まではずっと憧れの存在でただ何かで勝ちたくて奪ってきた。でもここちゃん見てからこの子だけはもしもれんが好きになったとしても絶対離さないって決めた。」


心愛「...!? ほんとにその...私のこと...す、すきなんですか!?」


りく先輩「だ〜いすきだよっ!そんなに警戒しないで横おいでよっ。どうせれんから気をつけろとか言われてるんでしょ?」


ソファに座りながら自分の横を手でトントンするりく先輩。


心愛「そっそのっ...」


りく先輩「大丈夫だよ。何もしないから。おいでっ」


心愛「わっ、分かりました...」

(れん先輩には悪いけど、いつものりく先輩だし...このまま立って話してるのもおかしいし...)


りく先輩の横に行き、隣に座る。


りく先輩「やっぱ警戒しちゃうよねっ。でも最初にここちゃんに強引にキスしたのれんだよ?ほんとに気をつけた方がいいのれんじゃない?まあ今日は僕も変なとこ見せちゃったし何も言わないけどさっ。」


心愛「...!そっそれはそうですけど...でもれん先輩もさっきりく先輩から気持ち関係なく好きな人を奪ったって話で、今の私以上にれん先輩はりく先輩のことを警戒してるんじゃないですか?」


りく先輩「へ〜。そんなにはっきり言われると傷つくな。俺はここちゃんのことが好きだから追いかけてんのに。」


心愛(またいきなり雰囲気変わった...!?)


油断したのを後悔し、立とうとする。


ドサッ


立とうとした私の腕を引っ張ってソファに押し倒すなり、両手を顔の横で抑えるりく先輩


心愛「やっ、やめてください!」


りく先輩「なんで?そんなに俺のこと嫌だ?なんで?」


心愛「い、嫌ってことじゃなくてっ...」


りく先輩「そんなに嫌がられるとこっちも悲しくなるんだけど。好きになれとは言わない。俺のことも同じように見てくれるだけでいい。」


心愛(あれ?強引に何かされるかと思った...警戒しすぎて傷つけちゃった...? でも前に守ってくれたしそんなつもりじゃ...!)


心愛 「みっ見てますっ!そっ、その...教室でキスされた時にそれまでもりょう君と距離が近いからって女の子達の目線が怖くて、その日トイレに呼び出された時...守ってくれてほんとに安心してっ...私もちゃんとりく先輩の気持ちを考えてます...」


この2日間にあったことが多すぎて、本音を言ったからか少し気持ちが軽くなり、涙が自然とあふれ出てきた。


りく先輩「...! 泣かなくていいんだよ。ごめんね。」


そう言って手を離して、私を起こして抱きつくりく先輩


りく先輩「りょうがモテるのは知ってた。だからこそ一緒に部室に入ってきた時にね、りょうがお前を守ってるように見えたから他の女の子たちの嫉妬からお前が何かされるんじゃっ...て守りたくなったんだよ。俺も俺なりに考えてるしその行動でれんに怒られようと俺はここちゃんのこと好きだから守ってるだけ。そんなに警戒しないで?」


心愛「すっすいませんっ....私もどうしていいか分かんなくて...ずっと1人だったから...うぅ...う ...グスッ...」


私自身、これからこの学校でしばらく過ごしていく不安といきなり近い距離にいてくれる人が出来た動揺と安心が重なり涙が止まらなくなった...その瞬間...


ガチャッ


れん先輩「心愛〜ってりく!?何した!?なんで心愛泣いてんだよ!?」


りく先輩「いっ、いやっ...!僕じゃなくて!ここちゃんの不安事を聞いた時泣いちゃったんだよ...れんの方が今日は落ち着くと思うし抱きしめてあげて。僕はここで寝るから。」


れん先輩「ほんとかよ。まぁいいや。心愛こっちおいで?一緒にお話しよっか。」


心愛「はっ、はいっ...うっ...うぅ...ぐすんっ...」


私の手を引き寝室に連れていくれん先輩。


りく先輩(りょうからは絶対に引き離す...見てらんねえよこんなの...守りもできねえくせに堂々と告白してんじゃねえよ...)


-------------寝室--------------

ガチャッ


寝室に入ると大きなベッドに座らされ、その横に座るれん先輩。先輩の顔を見上げると二人でいる時の笑顔を思い出して少し安心した。


れん先輩「なにか酷いことされた?不安なことはいっぱいあると思うけど...大丈夫?」


心愛「ぐすっ...うっ...ちっ違いますっ...酷いことなんて何も無くて...むしろ私の事を守ってくれる人がこんなにいて幸せです...」


れん先輩「なんだよそれ笑 まぁ今日はご飯も行って疲れただろうしゆっくり寝るか。また気持ちが落ち着いたらゆっくり話してよ。本当は俺がソファで寝ようと思ったけどあいついるから一緒でも大丈夫?」


心愛「はっ、はいっ...」


部屋の電気を消し、座っていたベッドに横になり布団を被り出すれん先輩。


れん先輩「おいで?」


心愛「はいっ...」


横に寝転がって同じ毛布に入ると、れん先輩が自然と私の体を先輩の方に向けてきて腕枕をされた。もう片方の手で私に覆いかぶさって子供を寝かしつけるように背中をトントンしてくる


心愛(先輩たちの前でこんなに泣いちゃってみっともないな...れん先輩、落ち着かせて寝かせようとしてくれてる...緊張しちゃって逆に寝れない...)


しばらくして私は緊張して寝られず、私の背中をトントン叩いて寝かせようとしてくれていた手は止まっていた。顔を見てみるとれん先輩は寝てしまった。

落ち着かせようとしてくれたのに寝られず申し訳なくなった。しばらくボーッと今日あったことを考えていた。


ガチャッ


ドアが空いた音がした。


その瞬間そっとベッドに入ってきて私の上にのしかかり両腕を頭の上で抑えるりく先輩


りく先輩「寝れない?」


心愛「!?...え、えっと...れ、れん先輩...!」


れん先輩に呼びかけた瞬間、余った片手で口を抑えるりく先輩


心愛「んん....うぅ...んんん...」


りく先輩「へ〜。こうなってもれんに救い求めるんだっ。なら起こしちゃおうよ。れ〜ん!起きて!」


わざとれん先輩を起こすために大声を出し始めるりく先輩。


れん先輩「...?」


心愛「ん〜!!んんん!!」


目を擦りながら起き、こっちを見て動揺するれん先輩


れん先輩「は!?お前何してんだ?今すぐそこどけよ」


そう言って急いで体を起こし、寝起きで力が入らず私からりく先輩を引き離すことができないれん先輩。


りく先輩「あいつのこと!協力するんだろ?」


れん先輩(くっそ...りょうのことか...まずはあいつから引き離さないとこいつは時間かかるしな...)

「...分かったよ」


心愛「!?うぅ...んんんん....」

(あいつ...?協力...?れん先輩...助けてくれないの...?)


りく先輩「心愛?うるさい。」


チュッ


それまで口を抑えていた手を離しキスをするりく先輩。


心愛「ん...んんんっ...」


必死に抵抗しても逃げられず言葉にもできない。


れん先輩「お前っ...!」


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