秘め事 #4
心愛「え!?気になるって...その....」
れん先輩「そういうことっ。まあ頭に入れといてよ。」
心愛「は、はいっ...」
(気になるって、どういう意味で!?異性としてってこと!?この私が!?)
れん先輩「飯食い行くか!」
心愛「今からですか!?」
れん先輩「なんか予定あった?」
心愛「い、いやっ。何も無いです...」
れん先輩「よしっ!俺のおすすめの店でもいい?」
心愛「はいっ」
急にご飯の予定が決まり、学校を出て何故か男子寮に向かう先輩
心愛「あ、あのっ...こっちって...」
れん先輩「ん?ああ。歩くには遠いからな」
そう言ってそのまま男子寮の駐輪場に向かい始める
れん先輩「ほら、後ろ」
心愛「え!先輩バイク免許持ってたんですか!?」
れん先輩「持ってるよ、ほら後ろ乗ってっ」
心愛(バイクの後ろに乗るなんて初めて...ちょっと怖いな...)
ズドドドドッ
バイクのエンジン音が響く
れん先輩「俺に抱きついてて。安心すると思うよ。」
心愛「は、はいっ...」
ブォォォォン
初めての経験に少しワクワクした。最初は怖かったけど進むと風が心地よくて、先輩の大きな背中に安心感を覚えた。
れん先輩「着いたよ。... ってそんなに俺にくっついてたい?」
心愛「あ、あぁぁ、すいませんっ...!つい落ち着いちゃってっ...!」
れん先輩「今落ち着いたって言った? やっぱ可愛いなお前。」
心愛「え、えぇ/// 」
れん先輩「ほら、行くぞ」
心愛「あっ、はいっ!」
そこには、こじんまりとした小さなログハウスのカフェがあった。
チリンチリーン
??「いらっしゃーい!ってあれ?れんじゃん。最近来てくれなかったから寂しかったよ〜?」
れん先輩「お前が俺のやること増やしたんだろ」
目にかかる長さのサラサラした真っ黒な前髪。その前髪の間からは綺麗な目と、どこか見た事あるようなキリッとした顔立ちの20代半ばくらいの男の人が座って本を読んでいた。
??「部活はどお?
心愛「!? 知ってる人ですか!?」
れん先輩「え、お前わかんない?」
??「こうしたら分かるかな?」
前髪を横に分け、眼鏡をする男の人。
心愛「...!!! 先生!?!?」
先生「せいかーい笑」
(え、ほんとに先生...?キャラも違うし見た目も雰囲気も全く違う...なんでここに...?)
れん先輩「この店の店長で、俺の親がオーナーでやってる。こいつ兄弟みたいに昔から仲良くて兄貴って呼んでる。」
心愛「えぇぇ、そうだったんですか!?」
先生「そうそう!俺も弟みたいに昔から可愛がってんだぁ。」
心愛「なんか意外です...笑」
先生「ほらほら!座って!これメニューね。お金はいいから好きなの食べてって♪」
心愛「え、ほんとにいいんですか?」
れん先輩「俺の親の店なんだから気にすんな笑」
心愛「あっ、ありがとうございますっ」
...
先生「はーい!出来たよーっ!」
心愛「わぁぁ!美味しそう!」
れん先輩「俺、この店のご飯が一番好きなんだよ」
先生「そんなこと言われると嬉しいな〜っ。お兄ちゃん照れちゃう//」
れん先輩「やめろ気持ち悪い」
心愛「あ、あの...いきただきますっ」
先生「どうぞどうぞっ!」
モグモグ...
心愛「すっっっごく美味しいです!」
先生「そんなにキラキラした目で言われるとれんから美味しいって言われるより作りがいあるなっ笑」
れん先輩「なっ...!?...うまい。」
先生「ほら!目が輝いてない!ところで2人は付き合ってんの?」
れん先輩「ブハッ...ゴホッゴホッ...」
心愛「あっっ!」
れん先輩が飲んでた水でむせてしまった。
私は持っていたコップを手を滑らせて水を制服にこぼしてしまった。
先生「えぇぇ、なんでそんな動揺してんの?あ、なんか複雑な関係だったり...!?もう今日は客来ないと思ってタオル切らしてた...あぁぁごめん篠崎ちゃん(泣)」
れん先輩「お前は客きたらいつもこんな喋んのかよ。少し2人にしろ。それに付き合ってない。」
先生「な〜んだっ。ごめんね篠崎ちゃんっ。れんに殺される前に先生は失礼しま〜す」
れん先輩「兄貴がごめんな。冷たいだろ」
心愛「いえっ..!大丈夫です...!」
れん先輩「でもお前シャツからブラ透けてんぞ」
心愛「えっ!?あっ...//」
れん先輩「これ食べたら帰るか。俺の部屋にこい」
心愛「え!?れ、れん先輩の部屋にですか!?」
れん先輩「別に何もしねーよ笑 そのまま寮に送ってもいいけどそのままじゃ恥ずかしいだろ?それに俺の部屋なら一晩あれば乾く。」
転校したばかりで制服のストックがない。今日までは我慢しなきゃいけないところだったから確かに助かる。
心愛「そ、それもそうですけど...」
れん先輩「なら決まり。ほら食べんぞ。」
心愛「あ、はいっ!」
れん先輩「お前なんでいつもそんなに堅いの?疲れない?」
心愛「今までお父さんの転勤ばかりで、友達とかもあまり作らなくて...いつの間にか人と関わるのが下手になっちゃいました...」
れん先輩「そうだったんだな。お前のこともっと知りたいのにまだキスの味しか知らないもんな。笑」
心愛「そ、それはっ...!」
れん先輩「冗談だよ笑 でもりくにはほんとに気をつけとけよ?」
心愛「りく先輩何かあるんですか?」
れん先輩「あいつは嫉妬がすごいんだよ。昔から俺は完璧で何をしても出来ないことなんてなかった。」
心愛(出来ないことないって...そんな人いるんだ...)
れん先輩「でも1つだけあいつには勝てないことがあってな。それが女なんだよ。」
心愛「お、女...?ですか...?」
れん先輩「何でか分かんねーけどあいつと好きな相手がいつも被るんだよ。そんでその女が付き合うのは絶対にりく。だから今の俺の気持ち、あいつも勘づいてるはずだから、気をつけとけ。お前と付き合うためなら何でもしてくるぞ。」
心愛「な、なんでもって...気をつけます...」
(そんな感じには見えないけどな...)
れん先輩「ほら、そろそろ行こうかっ」
心愛「あっ、はいっ!ごちそうさまでした!」
れん先輩「どういたしまして笑」
先生「え!帰っちゃうの!?もうちょっと居てくれていいのに〜」
れん先輩「また心愛連れて来るからよ」
先生「ヤリ部みんなでおいでよっ!」
れん先輩「ヤリ部じゃねえ。裏生徒会だ」
先生「ごめんごめんっ笑 それじゃまたね〜」
心愛「ごちそうさまでしたっ!」
(先生あんなに明るい人だったんだ...それにやっぱりヤリ部の話知ってたんだな...最初私完全に騙されちゃってた...)
ガチャッ
れん先輩「あ〜腹いっぱい、ほら後ろおいで」
そう言ってバイクに乗りながら後ろをトントン叩く先輩
心愛「あ、あのっ...ほんとに部屋に行っても...」
れん先輩「逆に嫌?俺の部屋広いから別々で寝ることもできるし」
心愛「い、いやとかじゃ!行きます!」
(別々で寝るなら安心だし...れん先輩今日すごく優しいし大丈夫だよね...)
れん先輩「よかったっ。 よし、行くか!」
ズドドドドッ
バイクにエンジンをつける先輩。急いで後ろに乗り、れん先輩に抱きつくように掴まる。
れん先輩(かわい...自分からそんな強く抱きついてきて、誘ってんのかよ笑)
ブォォォォォォン
--------------男子寮前---------------
れん先輩「行こっか。」
心愛「は、はいっ...!(なんか緊張する...)」
男子寮について歩いていくと、女子寮と同じ構造なのか廊下は全く同じだった。エレベーターに入ると最上階のボタンを押す先輩。着いてエレベーターから降りるとそこには部屋が1つしか無かった。
心愛「この階って他に部屋は...」
れん先輩「俺の部屋だけだけど?」
心愛「さすが...」
れん先輩「生徒会長は仕事が多いから特別扱いされるんだよ。俺じゃないやつでも生徒会長になったらこの部屋になるよ」
心愛「えぇぇ!そんなこと初めて聞きました!」
れん先輩「知らないことだらけだな笑 待ってな。鍵開けるから」
カチャカチャ...
れん先輩「...!まさかっ...!」
心愛「??」
ガチャッ
鍵を回さずドアを急いで開ける先輩。そこには一軒家と変わらない広さの部屋に、キッチンや大きなテレビやソファがあった。
れん先輩「おい!いるんだろ!」
??「あ〜あっ...見つかっちゃった...」
声だけがして、不思議に思っているとソファから頭が見えた。
心愛「(あの髪色...!)り、りく先輩!?」
りく先輩「せいか〜いっ!ってなんでここちゃんここにいるのっ?」
心愛「そ、それはっ...!」
れん先輩「はぁ...いつもどうやって開けてんのか知らねーけど勝手に入んなよ...」
りく先輩「ねえ。ここちゃんなんでここにいるの?」
さっきとは違う声色。たまにでてくる冷たい目をしている時のりく先輩。
れん先輩「関係ねえだろ。お前は帰れ。」
りく先輩「ここちゃんは俺のだ。」
れん先輩「俺のって付き合ってもねーだろお前笑」
心愛(ど、どうしよ...この状況少し気まずい...)
りく先輩「ここちゃん。選んで?俺とこいつどっちの部屋に行く?」
心愛「えっ!?そっ、そのっ。どっちって...」
れん先輩「ほら困ってんだろ。邪魔なんだよ。帰れよ。」
りく先輩「もうこの際だから言うけどさ、今まではお前が羨ましくてお前が好きな女ってだけで感情なくても俺のものにしてたけどよ。ここちゃんに対しての気持ちは俺も本気なんだ。帰らねえから。一緒に泊まる。」
心愛「!?」
れん先輩「は?そんな事で今まで女と付き合ってきたの?くだらねえ。ここは俺の部屋だ。今日心愛と一緒に寝るのは俺だ。お前はソファで寝ろ。これでいいな?」
心愛(りく先輩...嫉妬だけでそんなこと...れん先輩傷つかないのかな...)
りく先輩「わかったよ。今までやってきた事は謝る。ごめん。でも俺も引かねえからな。」
れん先輩「別に過去のことはもうどうでもいい。心愛、風呂入れ。どこか教えるからおいで。」
心愛「...!はっ、はいっ!」
れん先輩からお風呂に案内された。
れん先輩「洗濯物は1晩あれば乾くから。ごめんけどさすがに女物の下着は持ってねーからこれで許して笑」
そう言って大きめのバスローブを渡される。
心愛「あっそうですよね笑 ありがとうございますっ」
れん先輩「りくのこと...目の前で...ごめんな。」
心愛「いえっ!それよりも今まで好きな人奪った理由が...先輩こそ大丈夫ですか?」
れん先輩「俺の事心配してくれてんの?」
心愛「えっ?はっ、はい...」
チュッ
柔らかい感触がおでこに触れる
心愛「...へっ!?(おでこ...?キスされた...?)」
れん先輩「かわいっ笑 心配すんな、りくは裏表がある。裏の時のりくは何するかわかんないんだよいつも。まあ入ってこい」
-----------お風呂-------------
りく先輩にある裏表...?
確かに冷たい目をしてる時あるし、僕とか俺とか喋り方は変わってた...だけどあんなに明るいりく先輩がれん先輩の好きな人を奪ってた...?
なんか頭痛くなってきた...お風呂上がりたいけどなんか部屋に戻るの気まずいな...
--------------部屋--------------
りく先輩「おい」
れん先輩「なんだよ、俺にそんな態度できんのか?」
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