ロウンの過去〜傲慢の大罪の秘密

その夜、お互いに疲れていたアルスとロウンはゴミ山に埋もれながら寝た。


翌朝、アルスとロウンは

ゴミ山に座りながら、

お互いの過去について語り合う。


アルスは最初はロウンについて、

何も知らなかった為、質問攻めした。


「ロウンは何でアビスにいるんだ?」


「ロウンは陛下への挨拶の仕方知ってたけど、元は貴族だったのか?」


「傲慢の大罪能力の特徴は?」


「ロウンは今後どうやってアビス通行証

 を入手しようと思ってる?」


など、デリカシーの欠片もない事を躊躇なく聞く、アルスに最初は戸惑っていたロウンだが、こういう奴か、と納得すれば、

特に気にする事なく、全部答えた。


「アビスにいる理由は追放されたんだ。」


「傲慢の大罪能力として、魔法、武術、知識全てに才能があり、1を聞いて10を知るでわかるように、すぐに上級まで達する。」


「しかし、俺の場合、1を聞いて1しか知れなかったから、自ずと軍師になる為に、興味のある知識に傾倒していったんだけど、双子の弟が全てを学んでいる上で知識量でも、俺を上回ったんだ。」


「その結果、弟が当主になり、俺は追放という結果になった。結局弟は全てにおいて王級を修めていた。まあそこで止まったが。」


「そして俺は伯爵家だった。」


「アビス通行証につ....」


そこで一気に情報が入りすぎた為、一度話を止めた。


「ストップ」


頭の中で整理しながら、話し出す。


「つまり、武術、魔法に関しては完全に敗北せざるを得ないわけだ。でも、知識、

特に軍師としての役割となる戦術戦法は

ロウンの方が上になれるかもしれないな。」


ロウンは疑問に思い、尋ねた。


「何故だ?」


アルスは当たり前のように語る。


「俺たちは今最も激しい戦場である

 アビスで暮らしてるんだぜ。

 2日に1回は必ず戦うと思うし、

 そうしたら一年で100回以上は

 戦略を実践的に考え試せる。

 これだけやれば、

 どんな奴でも一定の力はつくだろ?

 更にロウンは出来ないではなく、

 成長が遅いだけだから、

 必ず軍師としては弟を超えるはずだ!」


この言葉にロウンは息を呑んだ。


この考え方は、傲慢でも、怠惰でもそんな考え方はしない。他の大罪を参考にして

意見を述べるアルスは新時代の旗印に見えた


また、ロウン自身もこの言葉に賛成し、

とても元気づけられた。


次はロウンがアルスに質問する番になった。


____________________


少しずつ、大罪の特色を知って貰えばと思い、この回を作りました。


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