ヴァンパイアの少年と魔族の少年の邂逅

ヴァンパイアの少年は奴らが眠り始めてから2時間ほど待った。


それは、少年の体感時間でこのくらいの時に起きるのは不可能だろうと言う予測のもとに待ったのである。


そして、自分についているゴミを手っ取り早く払い除け、ゆっくりと盗賊達の持つ本に近づく。


ゴミを踏んで、足音を立てないようにゆっくりと進む。


少年は余裕からか、

軍法書を読むのなんて半年ぶりか、

アビスのゴミを被るのにも慣れて

匂いなんて気にもしなくなった、とか

取り留めもないことを考えながら近づいて

しまった。



その時、


ざっざっざっぐぐぐ


少年はびっくりした。


あっという間に後ろに人が現れ、

首を締め付けられているのである。


「うぐぐぐ...はなせぇ....ガブっっ」


抵抗しても離しそうにないし、このまま絞め落とされると確信した少年は、なりふり構わず思いっきり腕に噛みつく。


噛みつかれた、犯罪者の見張り役は、

大声を上げて抵抗して来る。


「おいっっふざっけんな!!!」


「こっちが手加減して、

 首を絞め落とすだけにしてやったのに

 ぶっ殺すぞ!!!!」


そして、遂に少年の首から一時的に、

手が離れ、その隙に少年は距離を取る。


逃げればいいものを、どうしても軍法書が

諦めきれないから、逃げきれずにいた。


そして見張り役の大声に

他の犯罪者のおっさん達が目を開けた。


「うるせっえぞぉ」


「何騒いでんだよ」


ここで少年は事態の深刻さを理解した。


このまま逃げれるのか。


こいつらは腐っても、犯罪者集団の武闘派だ


俺は、傲慢の大罪者の中でも落ちこぼれで

魔法や武術は使えない....


逃げ足もそこまで速くないし、

先に体力が切れて捕まるのがオチだ....


どうすればいい....


こんなことなら、魔法や武術も勉強すれば

、やっぱ無理だ....


傲慢の大罪者なら、普通は1を聞いて10を知ることができるほど優秀で早熟である。


しかし、俺は1を聞いて1しかわからない為に、武術、魔法、知識を同時進行するほどの

器量がなく、知識に絞ったんだ。


俺は知識に絞ったにも関わらず、

双子の弟は知識でさえ、俺の数倍先に進んでいる。


あいつは天才だ。


1を聞いて100を知る。


ああ....


結局、俺の人生はなんだったんだろうか


こんなコソ泥みたいな事をして、死ぬのか


そんな思考の最中、犯罪者達が


「おい、お前何ぼーっとしてやがんだ」


「こいつもしかしたら、ようやく

 自分の置かれた立場を理解したんだな」


「まあ、取り敢えず1人一発づつ殴ろうぜ!」



おらっ


ぐぇっっ


へいっ


おぇぇぇ


まだ死ぬなよ笑


ぱんっぱんっ


あぁぁぁぁぁ



「おい。お前ら、おっさん3人がかりで

 少年をリンチするとかダサすぎるだろ笑」


____________________


ヴァンパイアの少年を助けるのは誰かな?


書きながら、ヴァンパイアの少年の人生

可哀想すぎて、少し抑えました。


次回、?????


乞うご期待



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一章完結後、評価次第では続投します!

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