第一級怠惰の大罪者「虚栄のアルス」。

ゴミ山に笑顔で座っている少年、

そうアルス・レイジーハートである。


彼は超ポジティブ思考なのだ、

いや悪い言い方をすれば能天気なのである。


なぜ彼はこんな状況で能天気でいられるか、

それについて説明しよう。


彼は魔族でありながら、角と翼がない。

そして顔はごく平凡であり、黒上黒目のパッとしない少年である。


また、魔族でありながら、魔法適正皆無で

あり、武術の才能も皆無、有り体に言えば

雑魚である。


更に言えば、働くことが大の嫌いで、

寝るか、賭博のどちらかしかしたがらない

クズ魔族である。


そんな彼である為、義母からは疎まれており、常にアビスと変わらない身の危険を感じていた。


そう、つまり義母がいない=自由という

短絡的思考に切り替えたのである。


まあ、この彼の性格も元祖帰りの為、

仕方がないといえばないが、現在の魔界

では、タブーだ。


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アルスは考えていた。


おそらく義母に何かされたのだろう...

違ったら生きてけない...


まあ、何にせよアビスでは暮らせない。

実家に帰るしかない。


その為にアビス通行証が必要だ。


しかし、武力はもちろんのこと、

智略もない。







あ...そうだ!!

武力がある奴と、頭がいい奴を仲間にしよう!


俺の実家は公爵家だし、助けてくれた奴には

お礼として、現世での仕事を与えればいいし!!


アビス以外を現世って言ってる時点で、アビスが冥土に近いは本当だな。笑




アルスはしょうもない魔族である。笑


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2日後。


アルスはチンピラ達に追いかけられていた。


身長180cmのガタイのいい男と、身長150cmの小柄な二人組に、服を置いてけと言われているのである。


はあ..はあ..はあ...


ああ、もうだめだ。


アルスはついに立ち止まった。


ガタイのいいチンピラが言う。


「おい、服だけ置いてけ。それで勘弁してやる。」


アルスは思う。この服は公爵家の紋章が入っている。渡せば、貴族街には入れないだろう。


覚悟を決めて、こいつらを撃退することにした。


アルスの目の色が変わった。

凛々しい顔つきに変わり、且つ目に見えて

アルスの周りにオーラが漂い始めた。


「誰が渡すか。

 まあ俺に勝てたら、考えてやるよ」



その瞬間、チンピラ達はアルスを化け物でも見る目で見てきた。


何故か、それはアルスの周りに漂うオーラが

獅子の形を取りアルスの横に控えているのである。


チンピラ達は思った。


ああ...第一級怠惰の大罪者「虚栄のアルス」

本人だと....


名前が同じだけだと言い聞かせてきた。

逃げ惑うから、やっぱり偽物だと思った。


しかし、現実は非常だ。


同じ魔族なのに、こんな絶望的な差って

あるのかよ!!


こんなガキが、いやこの方はいずれ

現在の魔界の秩序を破壊するだろう....


なぜなら、彼は元祖帰りなのだから。



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あれ、アルスって魔法使えないのに、

なぜ魔法使ってるの?

そんな疑問も次話で明らかになります。



テンポよく、物語が進むように頑張ります!



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