*第77話 クーデターでおます
「痛たっ!強い強い!もっと優しく!」
「やかましわぃ!優しぃしたら抜けんやろが!
マッサージしとるんちゃうぞっ!
だいたい太り過ぎなんじゃワレェ!」
挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16818023213923033148
めっちゃ狭い通路で体が挟まってしもて
前にも後ろにも行けん様なったネイサンのおっさんのケツ押してますねん。
なんでこないなっとるか?ちゅうとやね。
ネイサンのおっさん・・・
もうネっさんでええわ。
ネっさんの独裁に反発した民衆に乗っかって、
国防大臣のスタン・フーセンたら言う奴と、
総務大臣のカーン・コッフィーたら言うおっさんが軍をたらしこんで
謀反を起こしよったんですわ。
ほいで大統領府と議事堂を占拠して、臨時政府を立ち上げよったんですわ。
ちょうどウチらが孤児院の慰問で他の劇団員と離れとる隙を突かれましてん。
人質に取られてしもたんですわ。
ヘタに攻撃して麗しのお嬢様方に怪我でもさしたらえらいこってすさかい、
身動き取れんでどないしょぉ~か?
言うとったらネっさんが隠し通路あるて言うもんやさかい、
ほなちょっとウチが行ってきまっさ~
言うて・・・
ほいで今でっかいケツが目の前に在りまんねん。
屁ぇこいたら殺すどっ!
「前はスッと通れたのだけどね。」
「いつの話やねん!」
「いらぬ肉を切り落とせば良いであろ?」
「死んでまうわ!」
「が!頑張るからヤメテ!」
ブッ!
「やってまえ!」
「はいなぁ!」
「
スポッ!
「抜けたぁ~~~!」
「抜けたぁ~!やあるかいっ!何食たんや?
どないしたらこんな臭い屁ぇ出るねん!」
アカン・・・目に
トモエのアホ、実体化を解除して逃げよった!
「いやぁ、面目ない。」
「なんもかんもオドレが悪いんじゃぃ!
「君、男爵令嬢だよね?」
「そうや!それがどないしてん!」
「いや、もう少し・・・」
「なんや!」
「
それから先も細っそい細っそい地下道をつっかえつっかえしながら進みましてん。
「こ、こっち向きなら・・・」
縦も横も一緒じゃ!
一本道なんやったら最初にそう言わんかい!
ほたらウチだけで行くねん!
道案内いらんがな!
すれ違いも出来やんわ!
便秘かっ!
ウチらは宿便かっ!
***
なんやもう、ず~っと怒ってたさかい、
のろからからですわ。
よろがわのみるのんれはららぶらぶですわ。
「この上が議事堂の大会議場だよ。」
なんでも議長席の演壇の下に穴あいとるそうですわ。
ペロッと板めくったら滑り台みたいになっとるんやて。
ほいでグルグル回って、ここへ出るっちゅうわけですな。
「ほな行ってくるさかい、ネっさんはここで待っときぃや。」
「いやいや、中の事は知らないだろう?私も行くよ。」
「あぁ~それもそやな~」
議事堂に連行されたんは確かなんやけど
何所に監禁されてるんかは知りまへんねやわ。
「大体の見当はつくよ。
あの人数を閉じ込めて見張るなら第二会議室あたりだ。」
「さよか、ほな行こか。」
「あぁ。」
「・・・」
「・・・」
「何しとんねん。」
「え?」
「先行かんかいな。」
「え?私が?」
「当たり前やろ!ウチ、スカートやぞ!」
「あぁ~」
護衛やっちゅうても正式には侍女やさかい、
一応、淑女の恰好してますねん。
乗馬服でも持って来といたら良かったですわ。
ネっさんが四つん這いで滑り台を登って行きよりましたわ。
ほなウチも行きまひょかいな。
「
「
「シバクぞワレェ~!」
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