*第75話 大統領でおます

「デカシーランドへようこそ!

高名なコブシ歌劇団にお越しいただき、国中の市民が喜んでおりますぞ!」

挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16818023213487477413


よ~肥えたやっちゃなぁ~

ええもん食うてんねんやろなぁ~

こいつが大統領かいな。


シミン?シミンて何や?

”国中”て言うとったから臣民しんみんの事け?

けったいな物言いしよるな。


それにしても無礼なやっちゃな!

高位貴族を前にして立ったまま挨拶しよった!

女や思て舐めてんのんか!


「こちらこそ、お招き頂きまして光栄ですわ、大統領閣下。」


おぉ~っとぉ!

サラーラ様が手の甲を出しはった!

さぁ!

跪いて接吻せんかいっ!

対応次第ではブチ殺すどワレぇ~!


「おぉ、これは失礼しましたな。麗しき姫君に親愛の証を。」

始めからそないしとけや!おっさん!


「君がサナだね?スカーレットに良く似ている。」


ウチに話かけんなやコラッ!

護衛中やっちゅうねん!

何考えとんねん!


それに呼び捨てしたやろ!

男爵家の令嬢様やど!

パチモンやけど!


「シモーヌとはお知り合いでしたわね。サナ、ご挨拶なさいな。」

「ども」


いやぁ~

今のはナイスでっせ!サラーラ様~!

バッチリ嫌味が効いてますわ~


「彼女は元気にしているかね?もう随分と長く会っていないよ。」


効いてまへ~~~ん

どんなんか?こいつは?


まぁ、見た目は6歳の子供やさかいな、

貴族社会を知らんもんからしたら、

舐められてもしゃ~ないわな。


「閣下、この者は男爵家の令嬢で、私の侍女で御座います。

礼を尽くして頂きとう存じますわ。」


怖い~~~

サラーラ様の目ぇ怖い~~~


「おぉ!そうでしたな。

我が国は身分の差などない、皆が平等の理想国家でしてな。」


アカ~~~ン!

こいつサラーラ様にケンカ売りよったで!

無知って怖いわぁ~


サーシア様より気ぃ短いねんぞ!

危険物取扱要注意やねんぞ!

どないなっても知らんぞ!


あぁ~ヤバい~

目ぇ吊り上がって来たぁ~


「『おすわ----

「わぁ~!わぁ~!ウチお腹空きましたぁ~!

なんか食べたいわぁ~!もう我慢できひんわぁ~~~!」


「まぁ!はしたないですわよ、サナ。」

「はっはっはっは、育ち盛りですからな。あちらでお茶菓子など如何ですかな?」

「そうですわね。では皆で頂きましょう。」


危な~~~

間一髪やったで~

おっさんの体育座りなんぞ見とうないで。

可愛い男の娘のパンチラとかやったらご褒美やけどな!


まぁムッチリ無知のおっさんやけど、一応は国家元首やさかいな。

今回は許しといたるわ。


***


満員御礼ですわ!

まぁ当然やけど。


相変わらずの強烈な流し目やわぁ~

何人か死んどるな、あれ。

バタバタ倒れとったわ。


相手役のエイミーはんと接吻するシーンなんか失禁もんやったで。

どう見てもホンマにやってまっせ!

確実に舌入れてますわ。


今回の演目、”オレズ座の怪人”は、サラーラ様の脚本・演出でおます。

ラブシーン満載ですがな!

ほいで最後に二人で精霊歌の熱唱ねっしょうですわ。


パァ~~~ン♪

パァ~~~ン♪

パパァ~ン♪

パンパン♪


パンパラ~~~ン♪

パンパラァ~~~ン♪


『気分~♪気分~♪

 気分~♪気分~♪


気分♪気分♪気分♪気分♪気分♪気分♪

パオ~~~ン♪

気分♪気分♪気分♪気分♪気分♪気分♪

パオ~~~ン♪


め~んどくさいわ~♪め~んどくさいわ~♪

パオンパオ~~~ン♪


寝~て~居~た~い~♪寝~て~居~た~い~♪

パオンパオ~~~ン♪


やる気な~い♪パオ~ン♪気分~♪

飽きた~♪パオ~ン♪気分~♪


つまらな~い♪パオ~ン♪気分~♪

気分~♪気分~♪ジャジャ~ン♪ジャジャ~ン♪


あ~したで良~いなら♪あ~したで良~いなら♪

あ~したする~♪あ~したする~♪


だ~らだらす~るんだもん♪だ~らだらす~るんだもん♪


パララァ~~~ン♪


ジャン♪


最高でんな!

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