その七、マルキム、紹介するのこと
おいなにやってんだ! 先月分のみかじめの仕切りの帳簿いつになったらあがるんだ!
んったく今時の若ぇもんは手際が悪くていけねーや。
おいっ! 茶をくれ! 熱くしてくれよ。
あぁ、そうだ。そろそろ辻売りの連中の免許の更新時期じゃねーか。
おーい、帳簿とってくれ。おぉ、すまねーな。
えーと、ジャニス、ベル、ルーアン、エクラ……っと連中を医者に行かせてやらねーとな。
おい! 売り姫の定期診察の紹介状出しとけ!
あっと、客人だ。
へい、らっしゃい! 何かご用で?
ルリシラ? あぁエベルダん所の客人かい! あぁいいぜ、いいの紹介してやるよ。そんなとこつったてねーでこっちきなよ。
おーい、茶、二つだしてくれ!
で? どんなのが好みだ? 細いの太いのやさしいの丁寧なの豪快なの色々だ、
そうかい、ちびっこくて可愛いのが好みかい。で、そっちの旦那は?
なるほど、細めのベテランかい。そうだなぁ、ちょい待ってな、いま調べっからよ。
……っとあったぜ、この紹介書き見てくれ。
そっちの旦那にはこのエクラって女がお勧めだな。このあいだ箱から脚抜けしたばかりでよ、あどけないんだが可愛いんだこれがまた。旦那のこのみにはうってつけだと思うぜ。
で、そっちの旦那だが、このベル・シモンズって女だな。そっけなくて冷たそうに見えるけど、仕事についちゃしっかりしてるぜ、不満が出たためしがねんだ。
まぁ、どこに立ってるかは紹介書きを参考にしてくれれば大抵分かるけどよ、いつでもそこにいるってわけじゃねーから、ウチの若いのに送らせるよ。どうだい?
そうかじゃぁ、今送らせるよ。悪いが一人銀貨三枚手間賃もらうぜ。案内の若いのに渡してくれ。
あいよ、二人分な。
おーい! 誰か手ぇ開いてるのいねぇか!
おぉ、この客人二人エクラとベルの所に案内してやってくれ。
おぉ、たっぷりたのしんでってくれよ! 気ぃつけてな!
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