第64話 4人目:最強無敵のスタンドプレイヤー「リグ」

「……ここは?」


 目が覚めたら、いつもの冒険者ギルドの天井が俺を出迎えてくれた。本当に、俺は戦いが終わる度にこれを見ている気がするな。

 っと、そんなことより――どうにかこうにか俺たちは帰って来られたらしい。まずは一安心といったところだろうか。


「なんだ、丁度様子を見に来た時に目が覚めたか」

「リグ……?」


 入り口に目を向ければ、包帯などが身体に巻かれたリグがそこに立っていた。まぁ、彼も病み上がりで動いていたようなものだし、相当無理をしていたのだろう。


「ああ。三日ぶりのお目覚めだ。安静にしておけとのことらしいが……守る必要もないだろ?」

「まぁ、そうだな」


 俺は身体を起こす。やっぱり、腕はまだ完治していないらしい。

 でも感覚がないわけじゃないし、なくなったわけでもない。後は自分の回復魔法でもどうにかなりそうだ。


 リグの隣に立って、俺は治療室の出口を目指した。なんというか……まだ目眩がするけど、なんとか耐えられそうだ。


「お前が眠っている間に、色々なことがあったぞ」

「ギネカのことか?」

「それもある――ギネカは厳重な封印を施されて、取り敢えず地下牢獄に入れられたらしい」


 なるほど、まぁ確かにギネカは普通に捕まえても抜け出すだろうし……厳重な封印もどれほどの効力を示すかは怪しいところだけど。


「シルヴァは?」

「親父は……まぁ、生きてたよ。でも、僕のことはやっぱり気に食わないらしい」

「そうか」


 まぁ、それもそうだろう。

 俺の親父だって、多分助けたところで“助けるな”とか“頼んだ覚えはない”なんてことを言ってくるんだろうな。

 でも、まぁ、生きてくれたらいくらでもやり直すチャンスってのはある――そう思いたい。


「だが、まぁ……うん。ありがとうな、キリア。まだ諦めずに、親父に接してみようと思うよ」

「ああ、それがいいな。ところで」


 この戦いが終わったら、考えていたことがある。

 どうにも、リグはシルヴァとコンビを組むか基本的にソロで活動している冒険者だったみたいだし。丁度、もう一人火力が高いメインアタッカーが欲しいと思っていたところだ。(クラノスはああ見えてタンクだし、クシフォスはトドメ役、サクラは対人専門と斥候タイプ。ヒーラーは俺がどうにかすればいい)

 誘うだけなら、タダだろう。


「一緒に冒険しないか? リグ・ベルベット」

「……!」


 そう言って、手を差し伸べれば、リグが目を見開いた。やっぱり、ダメだっただろうか。

 

「やっぱりダメか?」

「いや。血は争えないか、って思ってな。まぁ、いい。僕は義理堅い方だ。古きの約束に従って、一緒に冒険してやるさ」


 俺の手を取って、リグがニヤリと笑みを浮かべた。

 新しい仲間だ。


「で、だ。今からSランクの会議だ。っていっても、出席する奴はクラノスに、僕に、ミア・フォン・アルファルドにロウェンだけだろうが。お前も出席しろ、ギネカの件の重要参考人だからな」

「ああ、分かった」


 病み上がりだが、文句は言ってられない。後始末を含めて仕事なんだから。

 新しい仲間であるリグと共に、俺は冒険者ギルドの会議室を目指した。



 第5章:雷龍「オスビタリア」<了>

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