『忘年会』 中
あかずきんこちゃんが答えました。
『なんの、正面玄関から入り、支店長に、大金庫に案内させます。頭取を人質にします。』
『なんとお。頭取を人質に?』
ミチュルチュルが、また、びっくりしました。
すると、ペーテリくんが、あっさりと、言いました。
『頭取は、父さんだから。まあ、ぼくは、育児放棄されて、認知もされず、結果、母さんのじいさんとこで、育ったんだ。教育費も、食費も、じいさんとこで、持った。だから、出世した父さん、言いなりの母さんにとって、ぼくは、社会的な刺なんだ。ぼくは、慰謝料を要求してる。応じないから、一度くらい、こどもに奉仕してもらいたい。今夜、忘年会に招待してる。人質になってもらう。』
ミチュルチュルが、呆れたように言いました。
『あなた、相当の、わるね。』
『君たちほどではない。見ず知らずの、人のよいおばあちゃんを、暗殺したんだろ。窯にくべて。こあ〰️〰️〰️〰️!』
『ほほほほほ。すでに、伝説ですから。』
『ぼくは、いま、伝説を作るんだ。』
『テレビの人の用意はダイジョブかい。』
チュルチュルが、確認しました。
『はい。犯罪ライブ専門の、世界犯罪ネットワーク衛星放送が、入ります。彼らの本拠地は、不明ですが、小惑星帯域にあると言われます。国際地下警察機関が、探していますが、まだ、特定にはいたりません。』
『へえ。なんで、見つからないの?』
『よくわからないのですが、場所を、次々に変えるから、らしいですわ。まあ、彼らは、中継するだけで、口は挟まない。』
『変装用具は?』
『はい、これです。あなた、うさぎさん、あなた、パンださん、あなたは、コアラさん、あたくしは、くまさん。武器は、こちら。瞬間原子凍結銃。24時間、固まります。使いすぎると、面白くない。視聴者から、苦情が来るかも。ま、しかたないけど。支店長以外は、さっぱりと、固めます。ただ、問題が、いくつか、あります。』
『ほう、何ですか?』
ミチュルチュルが尋ねました。
『あの、やっかいなやつらが、邪魔に入るかも。』
『もしかして…………… 』
『はい。宇宙犯罪支援機関によると、逃亡していた、[宇宙海賊ハンストとグレテル]、が、お話しワールドに、再潜入したとの情報があります。その狙いは、我々と同じではないかと。』
『あのふたりは、嫌いです。なんだか、紛らわしい。』
ミチュルチュルが、蹴飛ばすように言い捨てまた。
『さらに、[おさむさんとゲリラ]、それに、巨大犯罪組織、[五十人と一羽]、も、本店を狙っているらしいです。だから、はやく、実行しなければならない。』
『まあ、やはり、地の利、がある分、我々が有利だ。』
チュルチュルは、ホット・ミルクを飲みながら、唸るように言いました。
『あなた、ミチュルチュルさんが、今回は、見張り&運転手です。分け前は、協定通り、みな、同じです。シニア級ライセンスの腕の見せ所よ。』
『あいよ。』
『ラット・ロボを投入します。ありったけ、頂きましょう。コントロールは、お任せください。』
『持ち逃げはなしだよ。』
ペーテリくんです。
『もちろん。グランド・ハモニカ男爵が、公平配分の評定、さらに、屋敷を貸してくれます。逃走用の宇宙船もね。』
『明日が、楽しみね。』
あかずきんこちゃんが、満足そうに言いました。
しかし、みな、その背後に、陰謀が潜んでいるなんて、考えてもいなかったのです。
・・・・・・・・・・・・・・
つづく…………
『忘年会』(全3話) やましん(テンパー) @yamashin-2
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