第14話キングと呼ばれる男

僕の店にはキングとみんなから畏れられるおじさんがいます。彼は過去色々なコンビニを転々として腕を磨きつつうちの店に流れ着いて来ました。僕の方が店では先輩ですがキングの人生経験の前では誰もが平伏するしかないのです。キングに意見出来るのは唯一人店長だけです。キングは独自の価値観に基づきルールを決めていて誰も逆らうことは出来ないのですよ。前に僕がこうした方がいいのではと言うとお前何言ってんだよってそこからかなり長い時間意味不明な説教を受けます。これは僕だけではなく店長以外のみんなです。何故みんなキングに言い返せないかって思いますよね。キングは強いんですよ。身体もメンタルも。おそらくキングに勝てると思う人はごくわずかかと。武への道を歩んでる僕ですらキングの前では恐怖で動けなくなるのですよ。素人の同僚のみんなではあまりにも力が違いすぎるので戦うことは出来ません。キングは機嫌のいい時稀に優しさを見せてくれます。しかし一緒にシフトに入っているときにミスがあれば必ず相方が被害を被ります。キングは力ですべてを支配し従わせているんです。世の中にはこんな怖いおじさんがいるんだな。しかしうちの店で一人だけキングに少しダメージを与えることの出来る男がいます。彼は戦闘力は低いが知能がもっともあるカミソリのような男です。彼の話は又後日しますからね。でもみんなうちの店でアルバイトしたらいろんな人生経験が出来て凄く成長出来ますよなんてね。お終い。

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