第66話 己の罪と罰

「いい汗かいたわ!」


わたしはモモとお楽しみを終え、勇者たちの元に戻ってすっきりした顔で登場した。


相変わらず拘束されているクラスメイトたち。

ちなみにモモは疲れ果てて眠っている。

女同士では始めてだったから、非常に楽しめたわ。


「さてと。次はあなたたちなんだけど」


……ぶっちゃけ、聞きたいことは特にない。

召喚されて剣握らされてわたしに負けただけだし。


憎たらしいので拷問はするけれども。


「ひとつ聞くわね。生きたい? 死にたい?」


わたしはクラスメイト9人の猿轡さるぐつわをズラして喋れるようにした。


「死ねクロユリ」

「口が悪い子ね」


火谷佳奈、稲妻三雲、宵崎紗夜、目黒摩耶、空井実星。


この5名は陵辱は決定。

乱交パーティーね。

尊厳を奪う方向で。


「俺たちをどうするってんだ?」


坂力智樹が強気に聞いてきた。

この人、いつも威圧的で嫌いなのよね……


「生きたいか死にたいか選べるわ。人間としての尊厳を奪われて生きるか、死体となって元の世界に戻るか」

「なら生きたまま元の世界に戻る」

「傲慢ね。都合が良すぎるわよ?」


いや、薬漬けにして愛する家族の元に返してあげるのもいいかもしれないわね……


身体に自分の犯した罪を刻んで亀甲縛りにしてご両親の家の前に飾ったりとか。


手足を切断して一生介護される生活もあるわね……

家族に「死にたい。殺してくれ」って嘆きたくなるような余生をプレゼントとか。


日本では安楽死は出来ないから、殺人という罪を犯してでも家族が殺してあげる展開、なんて素敵かもしれないわ。

それこそ家族愛というものだわ。きっと。


「そもそも、帰れるって事は、お前は死ぬって事だろ? てか死ねよ」


どうやら長いこと拘束されて気が短くなっているらしい。


これだからゆとりは……とか言われるのよね。

自分の立場を理解できない残念な子たち。


「出来そうな感じだもの。というか、そもそも召喚されたんだから送る事もできるでしょ?」


わたしの心臓が必要なのは、おそらくは膨大な魔力が必要だから。

まあ、モモの話を聞いての考察でしかないし、全く根拠はない。


けれど、勇者たちクラスメイトを召喚する際にかなりの魔力を注ぎ込んだらしいから、原理上、異世界へと繋がる門が道を作ってくれるから帰りの通行料魔力さえあれば行けそう。


「それにわたしは1度、元の世界に戻って親を殺したもの。たぶん戻れる」


第二次成長期の時の話だから実は確証はない。

お父さんは実際のお父さんだったのか、あるいはよく似た妄想上のものか。

それはどちからはわからない。


「じゃあ最後に聞くわね? どっちがいい?」


わたしは神崎光也に向かって問いかけた。


全部、こいつに背負わせよう。

どちらの絶望がいいか。

救いなんてない。


目を逸らして答えを渋った神崎光也。


「時間切れ〜。じゃあゲームにしましょ。みんな好きでしょ? ゲーム」


正直拷問する相手が9名もいるのは面倒。

効率よく苦しんでもらいたい。そうしたい。


「ゲームは簡単。わたしの拷問に耐えられたら無事に返してあげる。又は帰れるように努める。具体的にはそうね……拷問をされてもわたしに「死ね」と言えたら、かしらね?」


最近の若い子は非常にお口が悪いから、拷問で少しでも更生してもらいたい。


彼ら彼女らが苦痛を受けても尚わたしに対しての態度を改めないならわたしは殺すしかもう復讐の方法はない。


でもなんか負けた気がするわよね。

簡単に殺すのは。


「ちなみに拒否権はないわ」

「ふざけんな死ね」


家、そして学校でしいたげられてきたわたしにはいつだって拒否権は無かった。


「それじゃあ、スタッフーーーゥゥゥゥゥッ!!」


まず始めに女の子たちから。

レディファーストというものね。


紳士淑女たるもの、そう言った事もしっかり考えて拷問はしないといけないと思うの。


「ひぃっ?!」


まず入ってきてもらったのはゴブリンたち。

レビナスに頼んでいた性欲がガンガンいこうぜ! な子達。


魔族の支配下にある知性の高いゴブリンたちだから、面白くなりそう。


「まずはお注射ね」


合成樹脂魔法レジン・マジックで創った注射器(ちょっと針太め)に肉体の筋肉を弛緩させる薬剤を調合したものを、阿水静を除く女子陣に注入した。


効きすぎると脱糞とかヨダレ垂らしたりしちゃいそうだから、ふらつくくらいになるように調整(勘)する。


「それじゃあゴブリンたち。この5匹のメスは好きにしていいわよ。1番たくましかった子には性奴隷を所有する権利をあげるかもしれないから、頑張ってね!」


そう言うとゴブリンたちは奇声をあげながら襲いかかった。


「キモイ死ね! 来んなぁ!!」


1人あたり3体ゴブリンを一応用意したけど、まだイケそうなら追加発注も検討中。


「発情してるオス2匹は見ちゃダメ」


眼球を潰してもいいのだけど、使い道を考えて冷静に坂力智樹と砂川与一に目隠しをした。


耳は聞こえるし匂いは感じるから、悶々とさせておいて下ごしらえ。


……クラスの女子が陵辱されてて興奮してるこの2匹は、なんというか、男というよりはオスだ。

オスは嫌い。


「神崎光也、貴方は観ててね?」


そう言ってわたしは神崎光也にスマートドラッグもどきを注射した。


人間の五感が鋭くなるお薬。

仕事効率が良くなったりする薬らしいけど、すっごく簡単に言うと覚せい剤? かしらね。


まあ快楽とかあるわけじゃないらしいけど、神崎光也にはこれから始まるパーティーの一部始終を観て、嗅いで、聴いて、感じてほしい。


見て見ぬふりをしてきた神崎光也には相応しい。


救えなかったと後悔してほしい。

何も出来ないと後悔してほしい。

己の罪であると後悔してほしい。

溺れて苦しんで後悔してほしい。


「阿水静」


わたしに名前を呼ばれてビクつく阿水静。

この子は自分に向いたヘイトをわたしになすり付けて虐めを回避した。


「見てみて阿水静。虐めをしてた彼女たちが、ゴブリンたちに犯されているところを。どう感じる?」


未だ拘束されている阿水静の肩を後ろから掴み、わたしは囁いた。


阿水静は臆病だ。

なるべく目を付けられないようにひっそりと生きてきた日陰者の側。


「見て。犯されながら、わたしと貴女を睨んでるわ」


火谷佳奈たちに睨まれて怯える阿水静。

阿水静だけ、わたしは陵辱の対象から外した。


「ねぇ? 貴女はどう感じた? 自業自得と思わない? わたしを虐めたのよ?あの子たち」


わたしはそう囁き続けながら阿水静の拘束を解いた。


「貴女は自分が虐めの対象だったのをわたしにズラした。その罪は重いわ」

「……ぅぅ……」


阿水静の肩からゆっくりと愛撫するように手を這わせた。


「どっちがいい? あの子たちのように犯されるか、それとも犯す側がいいか」


脅迫するように這わせた手を阿水静の胸へと擦り寄せる。


震える阿水静は怯えるばかりで答えようとしない。


「そう。貴女も犯される側がいいのね」

「い、嫌っ!……」

「じゃあ犯す側ね」

「そ、それも、嫌……」

「どっちも嫌、という選択肢は無いわ。どっちかしかないの。だから選んで?」


わたしは徹底的に

自分で選んで、自分で悔やんでほしいから。


全部が受け身なら、被害者ずらできる。

だから、その逃げ道を潰したい。

自分で選んで、自分の手を汚してほしい。


「立って」


わたしは阿水静を無理やり立たせて陵辱されている彼女たちの側まで来た。


喘ぐ声が、泣き叫ぶ声が近くで響く。

火谷佳奈に至っては血が出ている。

処女だったらしい。可哀想に。


「阿水静。誰でもいいから自分で選んで踏んでみて? きっと気持ちが良いわ」


怯えてきた日々。

今なら、その日々のストレスや不安が消える。


臆病者が、強者だった者を踏みつけて嗤う事ができるのだ。


「泣いても、誰も助けてはくれないわよ」


震えて泣いている阿水静に冷たく呟いた。


「泣いて叫んで、止めてってお願いしても、誰も助けてはくれない。みんな怖いのよ。弱者になりたくないから踏み付けて嗤うの」


わたしを虐めた火谷佳奈たちも、わたしを犯した坂力智樹たちも、お父さんも、わたしが痛い、止めてって叫んでも止めてはくれなかった。


「最後にもう一度だけ聞くわ。貴女はどっち側がいい?」


泣きながら、阿水静は火谷佳奈のお腹を踏み付けた。

全裸で喘ぐ火谷佳奈は呻きつつも阿水静を睨み付ける。


それでもやり返されない阿水静は、泣きながら笑い始めた。


人を踏んでいる罪悪感と、もう虐められる事に怯えなくていいという安堵。


その両方が阿水静を壊していく。


「……きゃははははっ!……アハハハハァァッ!!」


次第に、誰彼構わず踏み付け始める阿水静。

過去の自分から目を背けるように笑ってクラスメイトを踏みつけている。


「ねぇ火谷佳奈。気分はどうかしら? お楽しみ中のところ悪いのだけども」


口と前後の穴を埋められて苦しそうな火谷佳奈。

目尻に涙を浮かべながらもまだわたしを睨んでくる。


「まだ元気そうね」


わたしは微笑んで空井実星の顔を覗き込んだ。

彼女は前後の穴と胸を使われているから口は空いている。

口の周りは汚れてるけど、インタビューには答えてくれそう。


「どう?空井実星。感想は?」

「……ゆ、ゆりゅじてぇ……」

「その割には気持ち良さそうにしているけれど」


1番鳴いているのが空井実星だ。

性欲は強い方なのかもしれない。


「快楽から逃げたくて抗っているのね。可哀想に」


性欲が強いのか、それとも特殊性癖か。

それでも人間でいたい、とかそんな葛藤があるような感じがする。


「そんな乙女な貴女にプレゼントよ」


わたしは調合してあった媚薬(モモに与えた奴とは別)をゴブリンとの結合部に垂らした。


「素敵なプレゼントでしょ? ごゆっくり〜」


焦点の合わなくなり始めた空井実星に手を振ってわたしは発情しきっているオス2匹の元へ歩いた。


「2名様ご案内〜」


次行ってみよ〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る