雪に花
笑顔のあなたは綺麗だった
僕にはそれが眩しかったけれど、
自分も少しだけ綺麗になったつもりになれた
薄い花のベール
明るい向こう側からこちらに気づくのは
誰もいなかった
着飾って、光をまとえば
闇を隠せると思ったんだ
月が輝いて、星が瞬いても
夜は夜でしかないんだよ
役立たず、不要品
誰も何も言わなかったけれど
だからこそ僕は自分を嫌った
「生きて」を聞くと、心の臓が苦しくなった
柔らかな花のベール
向こう側に見えた優しさは
凍てつくほどの冷たさだった
いつのまにか僕も冷たくなって
まるで雪でも降りそうだよ
いっそ、全てが真っ白になればいいのに
あぁ、山茶花が美しい
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