苗の輝き

花を育てる水は慈悲であろうか

実りを助ける手足は優しさであろうか


うねには種子が撒かれた

それを誰も気にも留めなかったが、

一人の世話焼きな農夫が、可哀想だと言って水をやった

しかし種子は応えてはくれず、農夫は諦めてその場を去った


あるとき空から黄金の光が差し、

光に導かれて一本の輝く芽が生えた


すると隣人の男がそれを見て、大事そうに苗を持ち帰った

男は家に苗を植え、後生大事に育てた


だが苗は忽ちしおれ、涙の雨に姿を消した

男はもう一度輝く芽を探したが、

残っていたのは踏み荒らされた畝だけであった


花を育てる水は慈悲であろうか

実りを助ける手足は優しさであろうか

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