カンバスの炎

白いカンバスに黒が描かれ、

その線画には灰色が塗られる

カンバスは幾つも連なり、

結局一枚の絵となった


ある時少年が一点のくれないを絵に落とした

すると忽ち紅は燃えた

すべてを塵に変えるが如く


カンバスが無に帰す前に、紅は取り除かれた

残った穴はまなこのようである

しかし翌日になると、既に眼は閉じていた

カンバスに映るのは、元の灰色の絵だけであった

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