人形劇

机と椅子が並べられた箱があった

彼らはそこにいくつもの人形を飾る

彼女らはそれらに役を与え、演劇を舞う

「さぁ、踊りましょう」


来る日も来る日も糸を手繰る

時には人形を虚構の庭に放ち、

歌う小鳥のこえに耳を澄ます

「あぁ、なんて楽しいのでしょう」


ある時、机の上に花が生けられた

たった一輪の、赤い花が

箱のどこにも人形は見当たらない

おもちゃを失った演者たちはその場を去った


すると今度は別の者がやってきて、

お気に入りの人形を投げ入れた


「さぁ、踊りましょう」

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