第7話

猫達は凶暴化しあらゆる悪さをしていった。

魚屋の魚を盗み食いし、徒党を組んで鳩を襲い、糞尿を撒き散らし、抵抗するものに重症を追わせた。

どうやら後楽園をアジトにしてるらしいと噂は言っていた。

中矢は連載に取りかかる。


ジョージはとわ子と喫茶店で落ち合う。

「さあ松屋で服を買い漁るか」とジョージが言う。

「私家も出るわ、住むところも探さなくちゃ」ととわ子が言う。

「とりあえず東京駅に住むか」とジョージが提案する。

ジョージととわ子は服を買い漁り、写真館に運ばせ、写真を撮り、服は写真館に安く売り払い、東京ステーションホテルへ向かった。

チェックインを済ませ、部屋でくつろいでいるとジョージはだんだん恐ろしくなってきた。「兎に角早く金を使いまくらないと、捕まっちゃったらもったいない」とジョージは考える、少し恐ろしくなったので紛らすためにとわ子とSEXをする。

とてつもなく盛り上がったコトの後、とわ子はたずねる。

「ジョージどうやってそんな大金手に入れたの?」

「ギャンブル」とジョージは言う。

「そうね、ギャンブルくらいよね」ととわ子は言う。


中矢の父・為実は水溶液に浸かる小説家イーターの変化に気を配る。伝説の猫を取り込んだ後の小説家イーターは、一瞬輝き、その後沈静化した。大きさは既に直径2メートル程になっていた。為実は念で小説家イーターと会話する。

「これから朝鮮戦争はどうなるんだ?」と為実はたずねる。

「36度線で膠着状態になって停戦だ」と小説家イーターは答える。

「では今後の経済はなんでやっていく?」と為実。

「娯楽産業だメディアを支配し民衆を洗脳し全体的に売れば余裕で景気は浮上するし楽だ」と小説家イーターは答えた。


後楽園の猫達は手がつけられなくなっていった。

来演者を次々襲い、池の鯉を食い散らかし、田んぼを荒し、方々の魚屋を襲撃した。

飼い猫達は脱走し、みな後楽園を目指した。

中矢はとても悲しんだ、しかし連載の方は好評で原稿料も上がり、取材がてら学生時代の仲間とつるんでナンパしに新宿に赴いたりしていた。

新宿の映画館前の広場には若者が屯していた。

中矢は女の子に声をかけて、レストランでパフェを奢る。

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