第4話

大阪では暴動が起こっていた、権利を主張する在日朝鮮人たちが市役所に詰めかけ警官隊も出動する事態に発展していた。死者も数名でた。それは共産主義者の暴動に発展する可能性があったので新聞が大々的に伝えた。

中矢は久しぶりの小旅行に出掛けた。小旅行と言っても取材であったのだが。向かった先は後楽園だった。

後楽園には伝説の猫がいると言うのだ、中矢は後楽園ないを練り歩き、観光客に伝説の猫の話を取材する。

なんでもその猫は何時からそこに存在するのか定かでなく、飼い主は江戸時代のお殿様だと言うことだった。

お殿様が飼っていた鷹とも仲がよかったらしい。

その猫はなんと黄金色の毛並みをしていた。ほんとうは白猫で太陽光の反射具合でそう見えるのかもしれないと、見たものたちは言っていた。

「とにかくエネルギーがみなぎるんだ」と観光客

「いつもどの辺で見かけるんですか?」と中矢

「小山のあたりかな」と観光客

中矢はなぜ伝説の猫を取材しているのか?実は中矢は伝説の猫を下宿で飼おうとしていたのである。

中矢は猫が好きだった。あの健郎な精神が好きだったのである。中矢の取材ノートには伝説の猫の情報が20ページほどたまっていた。


1.伝説の猫は光っている

2.伝説の猫に会うと元気になる

5.伝説の猫は鳥と仲がいい

7.伝説の猫は念を放つ

10.伝説の猫は長生き

11.伝説の猫はもの知り


ざっとかいつまんでもこれだけの情報が書かれていた。

取材をしていると、染谷の娘が現れたどうやらデート中らしい、中矢はしばらく観察をする、染谷の娘は白のワンピースを着ていた相手の男性はどうやら学生風情だ後楽園の入園料は1円、金はどちらがだしたのだろうか?中矢は下世話な勘繰りを入れる。

あっ!二人がこちらに向かってきた、観察がばれたかなと中矢はあせる。

「すみません写真撮ってもらえますか?」

「あっはい」

中矢は、ドキドキして少し惚れてしまった。教授の娘は雰囲気があったのである。

「はい、チーズ」カシャッ、教授の娘はとびきりの笑顔を見せる。

「ありがとうございます」

「あの僕伝説の猫の取材をしてるんですが、何かありますか?」

「あ~あの猫ですか、伝説の猫は一度会うとよく夢に現れるらしいですよ」

「あっそれともうひとつ、僕のカメラで写真を撮らせてもらってもいいですか?」「はい」カシャッ、「ありがとう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る