第7話 柚希の過去
あれは去年の事。
私はどうしても姉と同じ高校に行きたくて、進学塾へと通って勉強していた。
姉の通っている高校は偏差値が高いので、今の私ではギリギリだったから。
別に他の高校でも良かったのかもしれない。
でも、私は姉が大好きなので小・中学生の時の様に、また一緒に学校に通い、一緒に登校したり、一緒にお弁当食べたり、色々と学校の事を教えてもらったりしたかった。
だから無理を言って、隣町にある少しレベルの高い進学塾へと通わせてもらっていた。
平日に学校が終ってから3回と、土曜日の昼間に1回の週に4日ほど。
電車に乗って通う日々を送っていた。
そんなある土曜日の事。
塾を終えて出てきたのが15時頃。
そのまま帰ろうと思って出たのはいいけど、やっぱりすぐに復習したいと考えた私は、近くのファミレスに行く事にした。
お店に入ると、すぐに男性の店員さんがやってきて対応してくれる。
席に案内してくれたその店員さんに、私は念のため断りを入れておく事にした。
「ここで勉強したいのですが、ご迷惑にはなりませんか?」
ダメとは言われないと思うけど、聞くのと聞かないのとでは店員さんからの印象も大きく違うだろうと考えたからだ。
私の質問に対し、店員さんはすぐにニコッと笑顔を見せてくれる。
そして・・・
「ピーク時間帯を迎える18時くらいまでなら、気の済むまで勉強して頂いて構いませんよ」
「あっ、ありがとうございます!」
店員さんは快く承諾してくれた。
その上で・・・
「それと・・・夕方は多分大丈夫だと思いますが、万が一満席になった場合はご配慮いただけると非常に助かります」
「あ、わかりました!」
と、少しだけ申し訳なさそうにしながらも、お店としてのお願いを丁寧に伝えてくれた。
満席時には、店として追い出すわけには行かないけど、私の判断で席を空けてほしいという事なのだろう。
正直、聞いて正解だったと思った。
これで、私が店員さんから変な目で見られる事はない。
それだけでなく、ご迷惑になる時間や満席時に気を付ければ良い事を教えてくれたし。
そして何よりも、店員さんの素敵な笑顔も見られたのだから。
そう思いながら、私はその店員さんにドリンクバーを頼み、ドリンクを取りに行って勉強を始めた。
それから1時間くらい経った頃だろうか。
私が問題集とにらめっこをしていると・・・
「お!真面目そうだけど、めっちゃ可愛い子がいるじゃん!」
「おお、マジだ!」
「ねえねえ、1人で何してんの?」
と、私の側で声がしたため顔を上げる。
そこには年上のチャラくて若干不良っぽい感じの男性3人が、私のテーブルの側に立って私を見ていた。
何してるって・・・
勉強してるの見たらわかるじゃん・・・
そう思いつつも、面倒事は嫌なのできちんと返事をする。
「え、私ですか?勉強してるんですけど・・・?」
ナンパなのかな?
正直、今の私は勉強を優先しているため身だしなみはそれほど気にせず、髪は下ろして眼鏡をかけているから、そういう目的で声をかけられるとは思っていなかった。
でも、ナンパするにしたって・・・
何をしているのかなんて、見てわかる事をわざわざ聞いてくるなんてバカなの?
と、考えてしまう。
だって、そのバカな質問の時点でマイナススタートなんだから。
まあそもそも、私はナンパしてくるような人を相手に好感を持つ事はないけど。
「ええ!何!?そんなつまんない事してんの!?」
「マジ、それだよな!」
「そんな楽しくない事してないで、俺達と楽しい事でもしないか?」
ホント・・・
人を逆なでというか、苛立たせる事に関しては一人前だと思う。
勉強が楽しいとかつまらないとか、そういう問題じゃない。
今、私には必要だからやっている事。
それに人がやっている事を褒めるならまだしも、貶すような相手に誰が好感を持つと思っているのだろうか。
小学生の頃なら、好きな子にいじわるするという事もあるかもしれないけど・・・
とはいえ、あれは完全に逆効果。
いじわるしてくる相手を好きになるはずがない。
それに近い事をしている、この人達の精神は小学生並なの?
この人達は、いい歳してそんな事もわからないんだね。
そんな事を考えながらも、相手は全く立ち去る様子がないため正直にお断りを入れる。
「・・・私は受験生なので勉強しないといけないんです。なので申し訳ありませんが、あなた達のお相手は出来ません」
私は丁寧に言葉を選びながら言ったのだが、それがかえって相手を増長させる事になる。
「っかぁ!受験生だから勉強しないといけないんですぅ・・・だってよ!」
「なんかお高くとまってんじゃね?」
「だから、俺達の相手は出来ねえってか?」
何が気に障ったのか・・・
私の現状と目の前の光景をありのままに伝えたのに、お高くとまってるとか・・・
本当に意味わかんない。
受験生で勉強しているから相手が出来ないって、当たり前の事じゃないの?
それの一体何が悪いのか・・・
こういう、人の気持ちがわからない人達は本当に大っ嫌い。
「何か気に障ったのであれば謝ります、すみません。ですが、今は遊んでいる暇がないのは事実なんです」
私は思っている事とは裏腹に、素直に謝った上で出来るだけ丁寧に説明する。
しかし、目の前の人達は先程の言葉からわかるように、人の気持ちなんか考える事はしない。
「遊んでる暇がないって?何言ってんだ。息抜きだよ、息抜き」
「そうそう。勉強ばっかしてたら、つまらない大人になっちゃうぞ?」
「人生、楽しんだもの勝ちだぜ!?」
・・・
息抜き?
この人達と一緒に居て、息抜きになるはずがない。
つまらない大人?
私にとって、この人達ほどつまらない人はいない。
楽しんだもの勝ち?
それはこの人達が勝手に楽しんでいるだけで、私がこの人達と遊んで楽しい要素は一つもない。
じゃあ私がその意見を採用するなら、私がこの人達と遊ぶ必要性は全くないよね。
絶対に息抜きにもならないし、つまらないし、楽しめるわけがないのだから。
だから、もういい加減に放っておいてほしいと思いながらも返事をしようと・・・
「いえ、ですから・・・」
と、言いかけたのだけど・・・
「ほらほら、いいから行くぞ!」
と、1人の男に腕を掴まれた。
「え、いや!ちょっと!!」
私は急に腕を掴まれた気持ち悪さと、無理矢理連れて行かれそうという状況に本気で寒気がした。
「や、やめてください!!」
私はそう言いながら腕を振り払おうとするのだが、男の力には到底かなわない。
「いいから、暴れんなって!」
「そんなに嫌がる事ねえだろ?一緒に遊ぶだけなんだからよ」
「ほらほら、観念して一緒に来なって」
そう言われながら男達に引っ張られ、無理矢理席から立たされた。
周りのお客さん達も、何事だと見るだけで特に何もしてくれそうにない・・・
私は抵抗しても逃れる事が全くできない事に、徐々に恐怖を感じてきた。
そして、このまま連れて行かれるのかと諦めかけた時・・・
「あの、恐れ入ります」
と、男達に声をかけた人がいた。
それは、私を接客してくれた店員さんだった。
「あ!?何だよ、お前!」
「当店では他のお客様のご迷惑になる行為は固く禁止させて頂いております。特に当店は飲食店ですので、飲食以外の目的・・・今回であれば、ナンパ目的でのご利用はお断りさせていただきます」
店員さんは臆することなく、毅然とした態度で私に絡んできた男達を注意してくれている。
「あ!?俺達は客だぞ!?」
「そんな態度取っていいってのか!?」
「お前、どうなるかわかってんだろうな!?」
男達は店員さんに凄んでいるようだけど、店員さんの顔色は変わらない。
「・・・どうなると言うのですか?」
「あ!?てめえの事、ネットに晒すに決まってんだろが!」
「わかりきった事聞いてんじゃねえよ!」
「あ~あ、お前のせいでこの店の評判も落ちるな」
「なるほど、脅迫されるわけですか・・・ちなみに、現在このやり取りは撮影・録音させて頂いておりますので、ご了承していただきます」
「はあ!?ふざけんなよ!」
「何勝手に撮ってんだよ!」
「今すぐ消せよ!」
男達に何を言われても、店員さんは全く怯まない。
「以前、貴方達の様に一方的で理不尽なクレームを受けたにも関わらず、謂れのない誹謗中傷を受けた事がありまして、それからはお店の名誉と他のお客様・従業員を守るために証拠を残させて頂くことにしております。まあ防犯カメラもあるので、そちらと変わりありませんよ。何もなければちゃんと消しますからね」
更には、きちんと撮影の理由と正当性を伝えている。
「それと、貴方達はお客様だとおっしゃいましたが、何か注文されましたか?」
「ま、まだしてねえよ」
「そんな事関係ねえだろが!」
「店に来てんだから、客に決まってんだろ!」
「どうやら勘違いされているようですが・・・お客様というのは一部例外を除き、ご来店していただいた上でご注文をしていただき、料理を召し上がっていただいて、お会計をしていただいた方がお客様なのですよ。どれか一つでも欠けたら、それは冷やかしや嫌がらせ、最後に至っては食い逃げという犯罪ですからね。もちろん私共は、ご来店いただいた時点ではお客様を信用しておりますので、どなたにも差をつけずに誠心誠意対応させて頂きます・・・ですが、貴方達はご注文をされる事もなく、かつ他のお客様にご迷惑をおかけしたのですよね?」
『・・・・・』
「であれば、貴方達はお客様ではありませんので、どうぞお引き取りを」
「ふ、ふざけんな!」
「俺達は客だろが!!」
「ちゅ、注文すればいいんだろ!?」
「いえ、もう注文していただかなくて結構です。今言った通り、貴方達はお客様ではありませんので、今すぐお引き取りを。それと貴方達は、今後一切の出入りを禁止とさせていただきます。」
「て、てめえ!」
「何、調子こいてんだ!?」
「てめえに何の権限があって、んな事勝手に決めやがんだ!?」
「権限?見た目によらず随分難しい言葉を知ってるようですが、本当に理解しているんですか?店や他のお客様・従業員が被害を受けそうなら、それに対応するのは当然の事でしょう?・・・そもそもお客様でもない貴方達こそ何様のつもりで、いつまで居るつもりですか?他のお客様のご迷惑になりますので、いい加減に出て行ってもらえません?これ以上は営業妨害や、そちらのお客様の腕を掴むといった暴行を働いたという事で警察を呼びますよ?」
『くっ!!』
店員さんの引かない毅然とした態度、そして客ではないと断言し言葉遣いを少し緩め、更には彼らを睨むようにして警察を呼ぶと告げると、彼らは逃げるように去っていった。
素直に凄いと思った。
チャラいとはいえ不良っぽい人達を相手に、全く恐れず怯む事も無く毅然とした態度を貫き通すなんて中々出来る事ではない。
それに私はあまり良いとは思えないけど、お客様は神様という日本独特の風潮がある。
ここで詳しく言うつもりはないけど、本来の意味としては“客はお店に来ている・お金を払うのだから神様である”という意味ではないのに。
ただそのフレーズだけが出回ってしまった結果、言葉を曲解して今の日本の風潮が出来上がってしまっているだけ。
お金を払うんだから客である自分達は神様だろ!?とか・・・
もっとひどいものになると、“お店に来てやってるんだから自分達は客という神様”であり何を言っても何をしてもいいんだ、というように・・・
だから店側は、何があっても一方的にお客様には逆らえない・逆らってはいけないという意味不明な解釈となってしまっているのが現状。
それが、いくらお店側が正しくて客の言いがかりだったとしても。
そんな中で、こうして間違っているものは間違っていると言える事が凄い。
それに何よりも、怖そうな人に怖気づかずに立ち向かえる勇気と度胸が、素直にカッコいいと思ってしまった。
そして店員さんは彼らが完全に立ち去ったのを確認すると、私の方にやってきた。
「大変ご迷惑をおかけいたしました・・・申し訳ございません」
悪いのはあの人達で、別に店員さんが悪いわけじゃないのに・・・
そう思いながらも、店員さんのご配慮をありがたく感じた。
「大丈夫でしたか?怪我とかはされていませんか?」
しかも、無理やり掴まれた私の心配までしてくれている。
もちろん店員として当前の行為なのかもしれないけど、それでも私は嬉しかった。
「あっ、い、いえ、大丈夫です!それよりも助けてくださった上に、ご心配ありがとうございます!」
私がそう言って頭を下げると、店員さんは「ああ、お礼は言わなくて大丈夫ですよ」と手で制しながら笑顔を見せてくれた。
店員として当たり前ですからとでも言うように・・・
その後、店員さんは周りの客にも謝りに回っていた。
そんな店員さんの様子を見ながら私は席に座るものの、今日はもう勉強の気分ではなくなってしまった。
目の前に広がる勉強道具を見ながら、どうしようかなと考えていると・・・
「はい、どうぞ」
という声と共に、私の目の前にスッと何かを差し出された。
・・・それはチョコレートケーキだった。
えっ?何?と思いながら顔を上げると、先程の店員さんがいつの間にか来ていて持ってきてくれたらしい。
でも、私は注文した覚えがないため・・・
「え?私、頼んでないですよ?」
私は店員さんに、間違えたのでは?というニュアンスで聞いた。
すると・・・
「ええ、わかっていますよ。ご迷惑をおかけしてしまったので、これは僕からのサービスです」
店員さんはそう言うと、ニコッと笑顔を見せてくれた。
「いえ、いただけません!むしろ私がご迷惑をおかけしたんですから!」
「そんな事はありませんよ。あのような方達が他のお客様にご迷惑をおかけしたのは、僕達の落ち度ですから」
「でも・・・」
「気にしないで召し上がってください。お客様がいらないと仰るのであれば、どちらにしても一度出してしまった以上、これは捨てるしかなくなってしまいますので」
「そんな・・・」
「それに・・・勉強には糖分が必要でしょう?」
店員さんはそう言いながら、素敵な笑顔を見せてくれた。
そして後はお任せしますとでも言うように、何も言わずに笑顔だけ残してその場を去った。
目の前に置かれたチョコレートケーキを見て思う。
店員さんは、わざわざ私のために・・・
変なことに巻き込まれた私の気分を落ち着かせるため。
それと“勉強を頑張って”と励ましてくれたのだと思う。
それなのに、私ったらそれに対する礼も言わずに・・・
でも、まさかサービスを出してくれるとは思わなかったし・・・
そう考えながら、お礼は後で必ず言おうと決めて有難くチョコレートケーキを頂く事にした。
口にしたケーキは少しだけビターで、甘さの中にほろ苦さを感じる大人の味がした・・・
でも味以上に、店員さんの心遣いと笑顔のおかげで美味しく感じた。
ケーキを頂いた後は、店員さんのおかげで気分が落ち着いたとはいえ、やはり先程の件のせいで勉強する気が起きず・・・
だからといってケーキを頂いてすぐに帰るのも失礼だと考えて、少しだけ滞在して店員さんを眺めていた。
そして頃合いを見計らって席を立ち、会計時に店員さんに礼を言って店を後にしたのだった。
それからというもの、月に1回・土曜日の塾が終わった後に、あのファミレスによって勉強するようになった。
というか、あの店員さんに会いたいと思ったからだけど・・・
とはいえ、塾の後に毎回だとお小遣いに響くし、それにお店にも迷惑がかかってしまう。
何よりもあまり行き過ぎると、私自身の集中力が勉強ではなく店員さんに向いてしまいそうだし・・・
店員さんの事が気になるとはいえ、今は受験に集中しないといけない。
だから、必要以上に彼を求めようとせず、かつ勉強を頑張った自分へのご褒美として月に1回にしようと考えた。
ただそれはそれで、日に日に彼への思いが強くなっていく。
でも、だからこそ今を頑張ろうと思った。
なぜなら、自分の中で決めた事があったから・・・
それは・・・
受験に合格したら・・・
その時に、彼に思いを打ち明けようと・・・
もちろん、フラれるかもしれない。
ううん、フラれる可能性の方が高いと思う。
でも、自分の気持ちを伝えないで後悔だけはしたくない。
同じ後悔するなら、行動してからの方が断然いい。
だから結果がどうなろうとも・・・
そう決心して毎日を過ごす日々。
そんな中、年を越してからは本腰を入れるために、ファミレスには寄らず真っ直ぐ家に帰って頑張る事にした。
次に彼と出会うのは、私が合格してから!
そう、心に決めて・・・
そして2ヶ月後。
長かった受験生活に終止符を打つ。
受験を終え、後は合格発表を待つばかり。
私はその日が待ち遠しくて仕方がなかった。
高校に合格というよりも、彼と会えるのだと考えて。
・・・合格発表当日。
1分でも早く合否を知りたかった私は、合格発表が張り出される時間には高校へと着いていた。
そして私は緊張しながら、張り出された合格発表で自分の受験番号を確認すると・・・
あった・・・
あった!やったよ!受かってたよ!!
私は自分の番号を見つけて、飛び跳ねそうになるくらい嬉しかった。
だって、これであの人に・・・
そう思うと、私は居ても立っても居られなくなって、その足であの人のいるファミレスに向かった。
この嬉しい気持ちのまま、今すぐ彼に会いたい!
そして思いを打ち明けたい!
そう考えて・・・
しかし、そんな私の思いは打ち砕かれる事になった・・・
ファミレスに着いた私は、あの人を探した。
しかし見当たらない・・・
もしかして、今日はお休みだったのかな?
それとも休憩中なのかな?
どちらにしても、タイミングが悪かったな・・・
そう考えながら、他の店員さんにあの人の事を尋ねようとした。
そこで私は、あの人の顔ばかり見ていてネームプレートを見ていなかった事に気がついた。
そのため名前がわからない。
それでも、特徴を伝えて彼がいるかどうかを聞いたのだが・・・
彼は今年に入ってから、バイトを辞めてしまったのだと聞かされた・・・
その瞬間、私は絶望に落とされた気分だった・・・
だってまさかの・・・
自分が全く予想もしていない事態に陥るなんて・・・
告白することすら叶わなかった・・・
せめて最後にひと目だけでも見たかった・・・
でもそれは、今となってはもう・・・
どう頑張っても無理なんだ。
そんなやりきれない、宙ぶらりんとなってしまった思いを抱えながら、私は姉と同じ高校へ入学した。
あの人の事は諦めようと思いながらも、わずかに心に引っかかりを感じながら過ごしていく。
そんなある日の事。
いつも同じ時間に起きる姉が、珍しく寝過ごした。
といってもたった10分の事であり、そんなに焦る必要はない。
私はどっちかというと出来るだけ寝たい派なので、まだ姉とは一緒に登校していない。
だから、初めて姉と一緒に学校に行けるかなって思ってたんだけど・・・
なぜか姉は急いでいて、朝食も食べずに出ていってしまった。
テーブルに置かれたお弁当を忘れて・・・
仕方がないので私は姉の分のお弁当も持って行き、届けてあげることにした。
登校して自分のクラスにカバンを置くと、すぐに姉のいる2年生の教室へ向かう。
そして姉を見つけてお弁当を渡し、ふと姉の後ろの席に目を向けると・・・
そこにいたのは・・・
―――――――――――――――
お読み頂きありがとうございます。
柚希は主人公の気持ちや瑞樹の気持ちは知らないため、柚希自身悪気はなく本気だった結果の告白です。
お客様は神様という言葉について、元々は演歌歌手の三波春夫さんが使った言葉であり、演者としての心構えの話です。
なので他の事に照らし合わせたとしても、接客する側の心構えの話であって客側が考える事ではないというのが作者の考えです。
そういう作者の個人的な私情を柚希の言葉として描いています。
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