1VS1VS1

壁が破壊され、瓦礫が降り注ぐ中。彼女はハンドガンを撃った。

実弾は人に対してよく効く。

実弾は対人用に開発された武器だ。

そして、エネルギーは怪物用。

彼女は人嫌いだった。

だから、その手に人を殺す為の武器を持った。

彼女はそれだけでは生きてはいけないとわかった。

だから、ハンターになった。

それでも、その手には人を殺す武器があった。


「ハアアッ!!」


刀が瓦礫を切断し、彼女へと勢いよく近づいた。

それをナイフで受け止め、腰撃ちで強化外骨格にヒビが入る。


「チッ!」


「死にたくなきゃ手を組んでアレを倒す他ないぞ!」


「お前を倒してからでも遅くはない!!」


突然重力が変わり、瓦礫がまた浮く。


「なんでそんなに執着してくるの!?」


「お前が強いからだ!!」


バトルジャンキー戦闘狂が飛んで刀を突いた。

先端がナイフの腹に当たったと思うと変形して腕に食い込んだ。

筋肉が変形し、骨の隙間に変形したナイフが入る。

痛みを理解するより先にハンドガンを突きつけて撃った。

何発か撃つと本体へと弾丸が入った。

苦痛で顔を歪めながら最後にハンドガンを捨て、プラズマナイフが強化外骨格を焼き切った。


「カハッ!?」


そして、地面を転がるようにバトルジャンキーに蹴飛ばされ。途中の電柱にぶつかり止まった。

痛い。

それだけが体に染み渡る。

全てが痛い。

下半身が麻痺したように動かない。

唯一動かせる上半身でバトルジャンキーを見る。

崩れ落ちて膝を突いている。

腹から血を流している。

プラズマで焼いたからか傷口にはかさぶたか何かで塞がれ、出血しているのはハンドガンで空いた穴からだけだ。

死ぬほどとまではいかないが、あの状態ならまだ生きれるはずだ。

こっちとほぼ同じ重症。しかし、こちらは動けない。

気絶か何かはわからないが、助かった。

今日は運が良いと思うのも束の間だった。

後ろでビルが溶けた。

その音に振り向くと、瓦礫を降り注いだ元凶。X型の化け物が居た。

美しく白い毛並みを持つキリンの幻を見た。

そこで意識が途切れたが、これだけは言える。












自分はまだ死んでいないと……











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