第18話
私はこのところ、いい人に出会っている。おばさんのことがきっかけで、パパに朝早く学校に送ってもらうようになり、柄にもなく、進路指導室に出入りして、受験雑誌で見かけた河上奈緒さんに手紙を書いた。駄目元でだした手紙に奈緒さんは返事をくれた。メルアドまで教えてくれて、私でよかったら相談にのりますとのことで、私は有頂天になった。
奈緒さんのお父さんは、ママと同じ大学の卒業で大学教授。幼い頃から父親と同じ道を歩むものだというプレッシャーがあったそうだ。そんな中で、中学受験は不本意な結果になり、私の先輩になった。私の場合は、私の成績の悪さにママの方が妥協して、今の学校にいるのだが、奈緒さんは入学してから色んな葛藤をかかえた六年だったそうだ。
奈緒さんが住んでいる所は、直に会える距離ではないので、メールのやりとりになったが、奈緒さんは自分のことをありのままに語ってくれた。大学院の受験に失敗して、予備校講師になったこと、そのせいか、父親に認めてもらえていないと感じていること、でも、そもそも、親に認めてもらうための人生ではない気づいたこと、そんなことまで、率直に話してくれた奈緒さんに、私も、特にママとの関係に悩んでいることを正直に話した。
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