第17話

いいか悪いかまだわからないが、このところ私の生活は随分と変わった。朝は早起きしてパパの車で学校まで行く。さすがに帰宅は私が先だが、おばさんの家に寄ることはなくなった。何度もおばさんの家を訪ねても留守だったこともあるが、自宅の近くに新しくバス停ができたことが大きな理由だった。自宅周辺に、建て売り住宅が増えて、新たな住人達のためにゴミ置き場もできた。おばさんの家の近くまで資源ゴミの袋を持って行く必要はなくなった。

学校の勉強もそれなりに大変になってきた。一応、外部受験のクラス所属なので、進路指導室で色んな大学の資料を見るようになった。外部受験希望といっても、どこの大学に行きたいという目標があるわけではなかったのだが、ある時、受験雑誌の記事が目にとまった。

「有名予備校講師 河上奈緒さん、受験の極意を語る」

その人は私と同じ高校出身で、ママと同じ大学、学部も同じだった。うちの高校からトップクラスの大学に行った人がいる。正直、驚いた。写真を見ると優しい感じの人で、本当にママの後輩かとわが目を疑った。でも、この人の話を聞いてみたいという思いにかられた。無茶を承知で、雑誌に載っている予備校の住所を調べて、河上奈緒さん宛に手紙を書いた。封筒の裏の自分の名前の右側に、後輩であることをわかってもらうために、学校名を書いた。

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