写実的に描かれる、サラリーマンの冒険心と小さな出会い

タバコというだけで、世間からは訝しい目で見られる。そんなタバコを使って、小さな冒険、小さな出会いを描くというのは、ある種の反骨精神を感じられる。普通、冒険心というのは小さな男の子が感じ、そこから物語を発展させていくために使われるものだが、このお話の主人公はサラシーマン。しかも喫煙者だ。さらに、その冒険のきっかけとなるのは成年の象徴、タバコである。その異質さが、また良いのだ。