第6話 目線②
祖父が救急搬送され、頭部CT画像を救急科の医師から見せられた
右側の脳がきれいに、みごとに、半分出血していた
「長くない。今夜か明日か。」と言われた
孫としての私は
(おじいちゃん、大丈夫。早く元気になって家に帰ろう。)
看護師としての私は
(脳の半分すべてダメになっている・・・もうムリだ・・・)
両方、思ったけれど
祖父を前にすると、私は孫である
「おじいちゃん、いつもの口癖 なにくそ って言ってよ。早く家帰るよ。」
ICUにいる祖父を見て
声をかけても返答もなく
右足はピクピクと細かく痙攣
左側は完全にマヒ
この姿を見ても私は孫
「うちのおじいちゃんは大丈夫。早く帰ろうよ」
家族を前にすると、私は看護師ではない
看護師にはなれない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます