神化
†
わたくしは先行するヒルドアリアに続いて
主兵装である左腕の大型機関銃が最も威力を発揮できる射程距離を保ちながら、目標であるアルスメリアの
けれど、白い天使の
不死鳥の
それを打ち破れないわたくし達に足りないものはただ一つ。
アルスメリアに対する圧倒的な殺意でした。
同じ巫女神官で恩師でもあるヴァリスネリアを
「元々、アルスメリアの
わたくしのヒツギ様の近くで解説をするエノテリアが言葉を途切らせたその時。
突如として強風と竜巻が起こり、その中から数十メートルを超える
それは巨大な女王アリに人の上半身、背中には八本の鉤爪のついた白い異形の姿。
パフィーリアの
「……この場にパフィーリアが居合わせたのは
絢爛に輝く星空の下に、無邪気な少女の声が響き渡ります。
「くひひっ!アルスメリア、パフとも遊ぼうよぅっ!」
白い女王アリの
わたくし達が苦労しているはずの防壁を易々と切り裂き、『ウルスラ』の本体へと深く突き刺していきました。
「ほらほら!パフの
パフィーリアは
幼い少女の精神状態が気になりますが、この機を逃してはなりません。
わたくしはバルフートの花弁状の肩部装甲から推進剤を噴射し、回り込ませるように高速で移動させました。
右腕のアンカーブレードを地に突き立てて
必殺の弾丸は『ウルスラ』の防壁の破れた隙間を抜けて本体へと撃ち込まれて。
しかし、それでも白い天使の
「おのれ……!妾の邪魔を――するなっ!」
アルスメリアは一喝して
「あっ、アルスずるい!」
そして、背中の十二枚の赤い翼から槍のような羽根を雨のごとくに降り注がせました。
「クランっ!」
ヒツギ様はわたくしの躰を腕に抱き、飛んでくる赤い槍を大剣で弾いていきます。
その間に、『ウルスラ』と同じ高度を飛んでいたヒルドアリアの不死鳥が特大の火球を放ち。
辺りはまるで昼間のような眩さと熱に包まれ、思わず目を瞑り……
収まる一瞬後には、再び防壁に
「やっぱりダメですぅ、御主人様。あたしとクランさんでは相性が悪過ぎて……良いところまではいってたんですが……」
ヒルドアリアを乗せた白い不死鳥がわたくし達に並びます。
「今の
エノテリアはそこで言葉を区切り、わたくしを見つめました。
「
▱
「『バルフート』の神化だって?そんなことが出来るのか、クラン?」
怪訝な表情でクランフェリアさんを見やる御主人様。
当のクランさんは難しい顔をして、口元に手を当てて話します。
「……確かに『バルフート』を神化に至るまで、力を高めることはできます。けれど――わたくしの場合、他の巫女神官方とは方法が全く異なるのです。」
他の巫女神官……パフィーリアやヴァリスネリアは罪垢に飲まれてしまうことによって、自分の
でも、クランさんはそれだけではダメだというのでしょうか。
クランさんの
その内側には人が一人収まるほどの空間と、大量の鋭い刃物や
あの、人の入れる空間……なんだか、あたしの躰にぴったり合うように見えるのは気のせいでしょうか……
「わたくしの
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