想いの光
♤
崩壊した地下礼拝堂に
俺は黒い
単純な
だが、相手が俺の動きを
俺ならどうやって攻撃を
それを意識するだけでよかった。
とはいえ、拮抗した闘いになるのなら最終的に武を分かつのは
案の定、黒い
攻撃の筋は
だが、どうしても防戦にならざるを得ない。
ひたすらに『ザルクシュトラール』の斬撃を受け流すように『
一際大振りの強力な一撃をかろうじて受けると、黒い
その隙をついて、強引に身体を動かして『ザルクシュトラール』の腹部へと渾身の掌底を叩き込んだ。
奴は大きく体勢を崩して大剣を手放した。
――今しかない!
俺が黒い
大剣『
その衝撃で奴の頭部は一部が破損して、その内部が露わになった。
――そこにあったのは……
もう一つの俺自身の顔だった――
俺は戸惑って呆然としてしまった。
『ザルクシュトラール』はゆっくりと体勢を立て直すと、静かに
「大したものだ。これだけの力の差がありながら、俺に一撃を与えたのだからな。」
俺と同じ声色で言葉を発する黒い
当然それすらも驚きを隠せない。
「やはりお前も俺のように
ヒルドアリアと初めて会った時と同じことを言われた。
「どういうことだ?俺に
『ザルクシュトラール』は光の宿らぬ瞳を向ける。
「まだ
その時、突如として眩い光が降り注ぎ、地下礼拝堂を飲み込んでいった。
†
「あの人が――ヒツギ様がわたくしの
エノテリアはとても信じられないことを告げていました。
彼女は言葉を続けます。
「……とはいえ、完全なる
ゆっくりと手を
「わたくしの目的はただ一つ。あの人と――ヒツギ様と再び結ばれて、以前のようにともに生きていくこと。」
その蒼い瞳には強い想いのような光が宿っていました。
「そのためには、あなたの存在が邪魔になるのです。ですが、あなたはもう一人のわたくし。同じ姿をしたあなたを亡き者にすることなどしたくはありません。」
エノテリアは一瞬だけ目を閉じた後、わたくしに言い放ちます。
「クランフェリア。もう一人のわたくし。どうかあの人を――ヒツギ様を
わたくしは耳を疑ってしまう言葉を聴き、めまいがしてきました。
わたくしの中の
それに呼応して
全ての武装が即座に使用可能な状態に展開されました。
目の前に佇む、わたくしの姿をした少女は微動だにしません。
わたくしの中の黒い感情が囁きます。
――コロシテシマエ
――アノヒトヲ、ウバウモノスベテヲ
両手を握りしめて、噴き出る感情を抑え込みました。
「――あの人は渡せません……わたくしは彼を――ヒツギ様を愛しているのですから!」
その時、わたくしの懐にあるロザリオが眩い光を発しました。
それを取り出すと、光はさらに大きく辺りを照らします。
その光はやがて一帯を包み込み……わたくしの視界と意識は白く途絶えたのでした――
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