第3話 『肉まんの食べ比べ』



(寒かったぁ~)



雨降る夜の

冷たい空気に震えながらゲットした

コンビニ飯を手にして職場の席へと戻り

いそいそと開封かいふうしていく。


少し湿しめった紙包装を外せば

とした肉まんが、お目見めみえした。


(欲しかったピザまんが売り切れてたから

肉まん二つ買っちゃったんだよね。


どっちかは

特選とくせんの豚まんだったはずなんだけど……

あぁ、こっちが特選だ)


ふたつつみを開封してみると、あきらかに

重量があり見た目にも大きい肉まんが

一つあった。


(まずは、普通の肉まんから)


んあっと開けた口でかぶりつくと

甘みのあるとした生地と

包まれたお肉が、一気に押し寄せてくる。



(お肉、たけのこ胡椒こしょうが全部

具材のとろみと一緒に来るぅ!うんまぁ~)


具材をがっつりと味わいつつ、時々ときどき

肉まん独特の生地だけを口にめ、み込んだ肉汁にくじゅうと甘みを楽しむ。


そうして肉まんを半分まで食べ進めたころ

カラシの小袋を付けてもらったのを思い出し

残りの肉まんへ、カラシを乗せる。


(昔は、カラシの美味しさって

よく分からなかったし使わなかったけど……)


カラシが乗った部分を口に入れれば

スパイシーなうまみと乗せすぎたカラシの辛味からみが鼻に突き抜ける。


(あっは。鼻!カラシ乗せすぎたぁ~)


途中、適量を間違える事はあったものの

味変あじへんしたので、一個目の肉まんは

ペロリと完食した。


(おつぎは、特選とくせん

重たさからして、具材がたっぷりだな)


と肉まんを割ってみると、生地の層と

具材の層が同じくらいの厚みになっていて

普通の肉まんよりも分厚ぶあつかった。


(生地の厚みで、具材の肉汁を吸っても

のね。

歯応はごたえもしっかりとしてるし食べごたえあるわ)


普通の肉まんは

ほわほわとした食感だったが

特選の肉まんはパン寄りの生地で

としていて満足感が出る。


(違う種類の中華まんを買うのも良いけど

同じ種類で、ちょっと贅沢なものと

食べ比べるのも楽しいなあ~!またやりたい‼︎)



割っては食べ

割っては食べを繰り返しているうちに

あっという間に終わってしまったため


次は、デザートにあんまんも買おう。と

新たなる目標を立てた。


(お腹も満たされて、冷えた手もあたたまった!

では、本日も)


『ごちそう~さまでした!』

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