第2話 『きのことツナの、クリームパスタランチ』
お昼の12時
落ち着いた
メニュー表をペラペラと
私は悩んでいた。
魅力的なおかずが、色々と乗った
ワンプレートランチや
どうやって食べるんだ?というぐらいに
パンパンなハンバーガーなど、目移りするものばかりなのだ。
(どうせなら
家ではあまりしないものがいいよね)
上から順に、視線をずらしていき
とある文で目が止まる。
(きのことツナの、クリームパスタかぁ。
ツナ好きなんだよなあ~。今日は、これかな)
店員さんにメニューを伝えて
待つこと数十分……
「お待たせしました~」のお声と共に
トレイに
マグカップに入ったコンソメスープ。
レタスやカラフルなパプリカのサラダには、丸まったポテトサラダも
(ではでは……いただきます!)
いつかのテレビで見た
「血糖値を上げない食べ方は、野菜から」
という言葉を思い出すも、気にせず
フォークにパスタを
口に入れると、きのこの
生クリームのソースと
ぎゅむぎゅむとした食感のエリンギが合って
たまらなく
(これ、
ちょっとスパイシーだから
クリームなのにもったりしないの良いなぁ!)
ちゅるちゅると
満足いくまで、ひたすらにパスタを食べる。
ある程度減った頃
ようやっとコンソメスープに口をつけ
甘くとろけた玉ねぎとパセリの香りに
謎の
(濃いパスタには
シンプルな味付けのスープって
後は、サラダ……)
パッと見は気が付かなかったが
サラダにはポテトサラダだけでなく
きのこのソテーも
「色々ちょこっと」が楽しめる
(まず、レタスとパプリカ……。
んっ!何このドレッシング!)
野菜の味を
消さない程度にかけられたドレッシングは
少量にも関わらず優しくも、しっかりと
しょっぱみを出していた。
(豆腐のような優しさだけど
この塩味なんだろう?
考えながら食べているうちにレタスは終わり
問題のポテトサラダと、きのこソテーへ
フォークを刺す。
何が問題なのかというと、実は私
「これは好きだけど
この味付けにされると苦手」
という組み合わせがあり
ポテトサラダやきのこは
高確率で苦手に当たる。
まずポテトサラダだが
マヨネーズ味が濃かったり
グリンピースを入れられると
「おおん……」っと
きのこは味付けが薄めで、しいたけやしめじだと勇気を振り
恐る恐る、ポテトサラダから口へ入れたが、いや何これ?びっくりするほど美味しい。
ポテトサラダなのに、まず
ベーコンの
(小さく角切りに、ベーコン入ってるのと
ここにも
ドンピシャで好みの味だったので
ちまちまと
ごっそりと
人って単純。
すっかり恐れを無くした私は、
きのこのソテーにも手をつける。
(はい、美味しい!全部美味しいやん。
苦手な味付け、一個も無いやん)
ばくばくと、ポテトサラダや
きのこを食べ進め完食すると
残りのパスタにも取り
ノンストップで食べているので
口周りは、べちゃべちゃだろうけど
気にしない。
なるべく
皿についたソースをフォークでこそげ取り
最後の一本の
(んあぁ~!美味しかったあ)
平らげて満足し、ソースまみれになった口を
使い捨てのおしぼりで
(それでは、今日も!)
『ごちそうさまでしたあ!』
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