第8話
「今日は遅起きなのさ龍ちゃん」
「あぁ今日は土曜だからな」
「どよーは遅起き、メモメモ」
急にメモ帳をどこからか取り出し何かを書いている。こいつの知識は偏りがあるのか?
パンとヨーグルトを口に運びながら今日は何をしようかと考え自然と笑みが溢れる
思えば朝ごはんなんて食べずに休日は昼まで寝てたからな
何かいい方向に進んでる気がする。
「よし。今日は買い物に行こう」
「ん!?買い物、買い物って言った!?何買うのさ!?チョコ買うのさ!!」
こいつはチョコが好きらしい。見た目と同じで甘ったるいものが好きなのか
支度を済ませ数ヶ月ぶりにつけていたテレビを消しデパートに向かう
「連日発生している失踪事件についてーー」ブツッ
「ねえチョコって知ってるかい!?あれはいいよねぇ昔もらった味が忘れられないんだぁ」
「ねぇなんで無視するのさ。ねぇねぇねぇ」
休日のデパートひとりで喋ってたら変人になる。
後ろから首を絞められても無視を決め込むしかない。
し、死ぬ…
「さ、さぁてチョコでも買おうかなぁ」
掠れた声で呟くとマフラーのように巻きついた耳は解かれた
「わかればいいのさ」
よし、こいつにはカカオ100%をくれてやろう
本屋を回りその中で趣味の雑誌コーナーから釣り雑誌を手に取る
「釣りって何なのさ?」
「趣味は奥が深いんだ
なんでもそうだがやったことがないと語るに忍びない」
「そういうことじゃないのさ」
そのほかにサバイバル術やロープの結び方、山菜図鑑などを漁るうちに疲れてしまい帰ることにした。
帰りの車でチョコを手渡す。疑問に思っていたがどうやら物体に干渉できるらしい
「そうとも限らないんだけどねぇ
ま、チョコはもらうのさ!!」
口いっぱいに頬張るのを見て思わずほくそ笑んだ。だがしかし、
「これこれ!!これなのさー!!やっぱチョコはサイコーなのさ!!」
…おいおい味覚は大人なのね
裏路地で叫び声があがる
「これデ12人目だ」
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