第6話
「お疲れさん。今朝はどうした?びっくりしたわ狐につままれた気分だったわ」
缶コーヒー片手に先輩の佐藤から声をかけられる
俺をつまんでるのは狐じゃなくうさぎなんだよなぁとは言えず苦笑いしながら感謝の言葉と共にコーヒーを受け取る
「田中はさ俺と話をするときは淀みなく喋られてるし報告も丁寧なんだけどなぁ
あの人を相手にすると途端に喉に何か詰まるよな」
「すいません」
「俺に謝られてもなぁ。ついでに言うと雑談だと俺とでも詰まる。でも、まぁ個性だな笑」
短所を個性と言い換えるのはあまり好きではない。
ごまかしだと思う。
でもこの人は俺を励まそうとしてる。
優しい人だ
「それで今日はどういう心情の変化よ!?ほとんどお化け屋敷の女子高生みたいな声量だったぞ」
「いや、よくわかりません。」
「ふーんまぁでもスカッとしたわこの調子だ!どんどんやってやれ!笑」
「佐藤サーん」
佐藤さんは他の同僚に呼ばれ先に帰っていく。
コーヒーを飲みながら俺の妄想?を見上げる
俺の心情に変化はない。でも行動は確かに変わった。声量が少しだけだが。
これからこころも変わるのかもしれない。
「かもしれない?違う、違うのさ!必ず変わるとランダは確信してるのさ」
「だってこのランダがついてるんだからね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます