第5話
朝いつもより早く出たものの
寄り道をしたせいで出勤時間はいつもと変わらない。
まぁあまり早く来るとそれはそれで怒鳴られるからいいのだが
「田中君ちょっとこい」
あぁ、また始まるのか。いつものように
「この前の案件はどうなってるの?ちなみにこれ聞くの2回目」
「申し訳ありません。対応中です。」
「いや具体的にきちんと言えよ。新人じゃないんだからさ」
上司の言ってることはもっともだ。
5w 1hは基本だしそれを報告しなくてはならないこともわかってる。でも声が出ない言葉が出ない。
は、はははいつも通りだな。
「はい…大変申し訳」
聞こえるか聞こえないかくらいで謝りの言葉を必死に口にしようとしたその時
「声は大きく、大きくさ!龍ちゃん!フロア全体に響かせろ!」
「大変申し訳ありませんでした!!!」
気がついたらここ数年出したことのない大きな声で謝罪を口にしていた。
「お、おう。次は気をつけて報告よろしく」
上司が顔を引き攣りながらそう呟く
いつもと立場が逆転したみたいだった。
デスクに戻る際、ニタニタと笑い、此れ見よがしに、俺の顔を覗きながら
うさぎはつぶやいた
「雄弁も金かもね?」
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