第3話

そこから私たちは、2週間に一回のペースで食事に行くようになった。


彼との食事は、会話やお酒のペースが合い、好きなテレビドラマの話やこれまで行った旅行の話などで盛り上がった。


普段の会話やメッセージのやり取りからも、彼の真面目で丁寧な人柄がうかがえる。


「橋下さんは、A型ですか?」


「はい」


                                                                        


出会ってから2か月が経った。


いつものように食事を終えて駅への帰り道、


彼から突然、「立花さんは、子どもはお好きですか?」と聞かれた。


「あ、はい、好きですけど。」


「そうなんですね、僕も好きです。あ、そうだ、来週、映画観に行きませんか?」


「いいですね!行きましょう!」


私たちは、さっきまで話していた今話題の映画を一緒に観に行くことにした。


                                                                        


翌週、私たちは映画の帰りに彼が予約してくれたスペイン料理のお店に行った。


落ち着いた雰囲気の店内は、私たち以外お客さんはいないようでとても静かだった。


だいたい私たちはいつも同じくらいのペースでお酒を飲むが


今日は、いつもより彼の飲むペースが早い。


そんなことを考えていると、


だんだん彼の口数も減ってきているような気がして、


そして、一瞬の沈黙の後、


彼から「付き合ってくれませんか?」と言われた。


突然のことで、びっくりした。


久しく恋愛をしてこなかったせいもあり、


異性から恋愛対象として告白されるなんて、想像もしていなかった。



先週の土日は何をしていたのだろうか?


隔週のペースで会う私たちなので、


もちろん、気になったことはある。


おそらく今までの会話から、彼に恋人がいないことは何となく察していた。


まだ出会って間も無いからなのか、私の性格のせいなのか


いまいち、踏み込んだ質問ができない自分がいた。


彼は私のことどう思ってるんだろう?


そう思った時、本当にただの飲み友達くらいなんだろうなと感じていたので


突然の告白にびっくりした。


                                                                        


「付き合ってくれませんか?」


「えっと、、、それはそういうことですよね。


「あ、はい。」


「すみません、突然のことでびっくりしてしまって・・・」


「そうですよね。返事はすぐにじゃなくてもいいので、よかったら考えてみてください。」


私は少し返事をするまでに少し時間をもらうことにして、その日はお別れをした。


                                                                        


正直に言うと、びっくりはしたけど嬉しい気持ちもあった。


何となくこのチャンスを逃してはいけないと思って、


一週間後、私たちは初めて出会った代々木公園に行って


そこで、私は「よろしくお願いします。」と返事をした。


                                                                        


そこから私たちは、水族館に行ったり、映画や舞台を観に行ったり、


いい雰囲気を保ちながら、穏やかに関係が続いていた。


                                                                        


(続く)


                                                                        

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