☆2021➟2022:カウントダウン特別番外➌
もふもふな『くーちゃん』を愛でるのが好きだ。
『くーちゃん』がお座りしている時の「ウェルカム」感は、もうただただずるいの一言しか出ない。
ぬいぐるみのフォルムには、まるっこく可愛らしいようにデザインされているものや、スマートなラインでカッコよさを強調してデザインされているものなど様々あれど、うちの『くーちゃん』のパーフェクトボディに適う相手はいないと声を大にして言いたい!!!
抱いて寝るにも程よい身幅。
自身を余すことなく包んでくれる超BIGなボディ。
輪郭はシュッとしているのに、その瞳はつぶらでひたすらに愛らしい。
何よりあのふわもふさは、常から手入れを欠かしていない自分としては最上級の手触りの良さであると自負している。
……ちょっと、いや、過分に親ばか成分入ってますけれども、それもまたご愛敬ということで許して頂きたい。
あのもふっとふわっとしている『くーちゃん』をぎゅっと抱き締める瞬間が好きだし、抱えて一緒に横になるのだって好きだ。
もふもふもちもちなおなかの上で、ぽかぽか日向ぼっこを一緒に楽しむのも、本当に大好きなのである。
そう、あくまでも、こちらが愛でる側として。
……つまりは、決して『自分がこうありたい』と思っていたわけではないということを、きちんとご理解頂きたい!!切実に!!!!
(な、…なにがどうしてこうなった!!!?)
上げたはずの叫び声は、音にすらならずに胸の内で消える。
それもそのはず。
だって、ぬいぐるみは喋れないのだから。
(わ…私………、う、う、ウサギさんになってるぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!?)
ピンクでたれ耳。
もふもふでもちもち。
それは、確かに見るからにウサギである。
ただし、ぬいぐるみの。
もちふわなピンクの両腕を見下ろしながら、混乱する頭で考える。
(え、死んだ?私、もしかして、気付かないうちにぽっくり逝ってしまったとかそういうやつ???そして最近小説とかアニメとかでよくある働きすぎで死んでその魂がそっくりそのまま転生する的なそういうやつですか????あー…、ふーん…、あはははははは!!ありえそうで笑えないねぇぇぇぇええ!!!!?)
どうしよう、どうしよう!!と、本来なら動くはずのないぬいぐるみが、その室内をぺそぺそぺそぺそと二足歩行で、頭を抱えながら動き回る。
その光景がいかにシュールであるか、皆さんには想像できるだろうか?
そしてそれを、目撃した人がいたとしたら………?
「……………ぬいぐるみが…動いてる……」
「………!!!!?」
もし、ほんの少しでも時間を戻せるのであれば、人の気配に気付かぬまま動き回っていた迂闊な自分を叩き倒したい…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます