貴方から教わった星の名前をまだ覚えている

僕は小さい頃から宇宙が好きだった。

果てしなく宙に広がりどこまでも続く

未だ解明されない未知の領域、特に星が大好きだった。

ハルカトオクから漆黒の空を彩り照らす

美しく、けれど儚く、されど力強く輝く星が


好き、というものは何かをする原動力行動力に繋がる。

知らないことを知るという楽しさ好きなものを学べる嬉しさ、そしてあの日交わした約束を実現するために天文学者をめざし大学に入学した


星に名前をつける。君に名前を。


彼はかつて不思議な体験をした

中学生の頃とても仲の良かった女の子が

「私は星になる!星になって有名になるわ!」

そう言って失踪した、……は手紙を残して

「私の名前を覚えていて。私の名前は……よ!

いつか星になる女!全てを照らす星にね!」

アイドルにでもなんのかなと思った矢先の失踪

もう何がなんだが。

そうして月日は経ち大学生となった。


そんなある日、星が落ちた

「僕にはまだ解明していない宇宙の神秘と、まだ見ぬ星を全て見ていないのに…」

星がおちる、地球に落ちてくる、という言葉はとてつもなくヤバいことだ

だって星が落ちてくるんだもん地球終わるやん?

そんなんあかんやん?まだにも始まってないし


しかしこれは物語なので不思議なことが起こります

その1。星が落ちてくるのは僕の頭上です、今落ちてきてます上に見えますやばいです死にます

その2。なんかその星めちゃくちゃ輝いてます

その3。発光してる星が砕け散りました

その4。女の子になりました星が。

……………………────………………???


めちゃくちゃ可愛い女の子が星から産まれました

星が女の子になりました

僕の膝の上で寝てます

僕は頭の処理落ちで何もできません

「???????????????????今何が起こっていますか?」

「すみません。よく分かりません

「この状況はなんでふか?」

「分かりません」

「そうでふよね」

「はい、回答を終了します」

分からなすぎて1人でスマホと会話の再現ができちゃうくらいだった

あれほんとちゃんと言わないと「さーせん、わかりゃせん」って言うよねなんで?もうちょっと考えようぜ、頑張ってみようぜ

その後も1人スマホとの会話ごっこを5時間ほど楽しんだ頃

「…?ここどこ?」

女の子が目を覚ました、星が目を覚ました?どっちでもいいか今女の子だし

「ここどこ?」

ぼっーっっっっとしていた

言語機能の著しいエラー日本語を聞いて日本語で返せなかった

「ほへぇ?」間抜け面してそういうのが限界

「あんた何間抜け面しているの?ここどこ?って聞いているのよ!」

「ここはねぇ〜ちきゅうっていうんだよぉ〜?」

「何その喋り方気持ち悪い、あと何か言うことは無いの?せっかく逢いに来てあげたのに」

「酷い…今目の前で起きたことを脳で処理するのすら間に合っていないの…に……?」

「相変わらず面白い表情変化ね、どうしてそんなにびっくり人間みたいな顔ができるのよ」

「逢いに来た?会いに来たって言った?僕に?」

「そうよ、運命的な逢いに来たってやつよ!」

「………?申し訳ないけど僕には星から産まれた人と知り会いになったことは……」

「そうね、確かに星に知り合いはいなかったわね、あと漢字が間違ってる」

「星になるとか言って失踪した女の子はいたけど……あいつ元気かなぁ…デカい口叩いてどこかで膝抱えて泣いてないといいけど…」

「………」

耳の先まで真っ赤になった、かと思ったら突然パンチが飛んできた。パンチラではなく残念

「そんなガキみたいなことするわけないじゃない!この私が!」

「そうそう、そんな感じそんな感じ、その子そうやっていつもちょっと偉そうに言ってたよ…今思うとまるでメスガキかテンプレのツン固め濃いめ多めのツンデレみたいな子だったなぁ…あれはあれで可愛かったけど」

ガブリ…

鋭く尖った犬歯で思い切り噛まれた、指を

「いたいいたいたいいたいたいたいたいたいたい!何するんだ離せ噛むな契れる!うん?」

「うるひゃい!うるひゃーい!ばかばかばから!」

とても怒っていたが一瞬噛むのをやめて

遠くを見ていた、そして次の瞬間

「契れるわけないでしょ!粉変態!べらぼうの変態!」

「変なところで漢字が入ってますよ誤字ですよ

あとそういうキャラどこかの世界線にいたからやめてもう声までハッキリ脳内再生で聞こえてて再生されちゃうからダメ」

……何言ってんだこいつ みたいなジト目

「いい加減気づけばか!私は星よ!星になったのよ!あなたに宣言した通りにね!」

「確かに言われてみればあの時の…でも名前が…」

「ふん!ちょっとは思い出したようね、あと私に名前なんてないわよ、今産まれたんだから。」

「もう分からない何も分からない何がどうしてこうなった?」

「そんなん私にも分からないわよ!深夜テンションで作るからこんな訳の分からない作品ができるのよ!ほんとバカね」

ごめんね?許して?何もしないから

「まあ、そもそも私人間じゃないし?」

「そんなことある?あるか今目の前にいるもんな」

「そうよ、私は流星の民」

「人間じゃん、もれなく人間じゃん。あと名前すごいね」

ぶん殴られたのは言うまでもない

「名前を持たないのよ私たちは」

「名前どうするの?」

「顔凹んでるのに普通に喋らないで」

「理不尽…」

「名前はつけてもらうのよ、好きな人に

私たち流星の民は女性ばかりなのよ。

ある程度の年齢になるとパートナーを見つける旅にでるの、そうして見つけたパートナーと上手くいく予感を視る、そうしたら星になって宙へ帰る、そうして何年も後にその人の前に現れ名前を貰う、ついでに苗字も貰うそうやって今まで生きてきた。

そういう民なのよ」

「メルヘン…」

「じ、事実なんだから仕方がないでしょう!」

「顔真っ赤にして怒るの可愛いね」

「あ?舐めとんのか?ぶち殺すぞ」

「あ、はいすみませんでした」(早口)

土下座、ダイナミック土下座。素早く土下座

これは覚えておいて損は無い、ここテストに(ry

「ってことだから名前ちょうだい。あと苗字もちょうだい」

「え?ムードは?あと恥じらいは?ツンデレだよね?そうなんだよね?デレの部分は?ねえ、ねえ、ねぇ!どこへお出かけしちゃったの?あれがなきゃいけないよね?今までの言動的にも君の姿的にも見た目的にも(ご自由にご想像ください)デレがないツンなんてネタのないシャリだけをむしゃコラするだけなんだkbg」

(君の好みのツンデレキャラを創造しよう!)

激しいラッシュ。右ストレート左フックそこから始まる拳の無限コンボ

「早くよこせよ」

冷たい一撃

「ボコボコの僕」

ひょっ、ひょっほまっへ(ちょっ、ちょっとまって)

「セリフとあれが逆よ、戻しなさい」

なんて可愛げのない、と思っていた

そりゃそうだよねツン100ぱーで上から目線だなんてこれは分からせないとイケナイスイッチ入っちゃうよね

このガキ…わからs……「あっ」

気がついてしまった

上から目線とツン100ぱーに隠されたデレに

この子手の先まで真っ赤だ…耳も顔も真っ赤だ

あれ、恥ずかしがってない?なんかモジモジしてない?

「は、はやくしなさいよ!」

気が付かなっただけでデレはそこらじゅうに溢れていたんだな!

「せっかく勇気だしたのに…私のバカ…どうしてもっと可愛く出来ないのよ……」

ぽしょぽしょと1人反省会すら始まっていた

「名前決めたよ。今日から君はホタル、

苗字は明星君は今日から明星ホタル」

「なんかダサい…ダサくない?」

「あっあっあっあっあっあっあっ」

「う、嘘ようそうそ!ワタシコノナマエスゴクキニイッタナー」

「本当に?良かったぁ…ネーミングセンスはあったんだね!僕に…存在したんだね!」

「いや、してないが」

「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ」

「まてま嘘だ!冗談だ冗談だから白目むいて泡を拭かないで!」

「危ない…川を渡りきってしまった…」

「ごめんやっぱなしで」

「あっあっあっ…あっ……………」

そうして星が2つ夜空に輝きましたとさ。


めでたしめでたし

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