第19話 寒空の下、彼女と僕と (4日目)
寒い中、僕達はただ夜景を眺めた。会話なんて別にいらなかった。
ずいぶん長い時間が経って、僕達は立ち上がってその高台を降りて行った。
僕達はお腹が空いたので近くの飲食店を見つけて、そこで食事を取ろうということになった。
僕達は近くにあった蕎麦屋さんを見つけ、そこに入った。テキトーに入ったお店だったが、そこそこ有名な蕎麦屋さんだったらしい。本当はざる蕎麦が一番人気のお店だったが、さすがに寒かったので僕達は暖かい蕎麦を食べた。ここら辺はそばが名物なだけあって、とても美味しかった。並んで待っている人がいたので、僕達は食べ終わると直ぐにお店を出た。
僕達は帰り道にあったコンビニに寄った。どうやら彼女はスイーツを買いたいらしい。最近のコンビニのスイーツはかなりレベルが高い。普通にケーキ屋さんに売っていてもおかしくないんじゃないかと思うほど味もいいし、種類も豊富になってきている。彼女はどれにしようかとスイーツコーナーの前でずっと悩んでいた。女性というのは本当に甘いものが好きな生き物である。僕はお菓子をカゴに詰め込んだ。彼女はしばらく悩んだ後、シュークリームやらタルトやらをたくさんカゴに入れた。
「そんなに食べるの?」
「決められないもん」
僕達は会計をキャッシュレス決済アプリで済ませた。キャッシュレスは便利だけれど、支払い感覚がなくて買いすぎるのがたまにキズである。有料のレジ袋を買って、それに詰められた沢山のお菓子やスイーツを持ってバス停に向かった。バスに揺られて家に向かっていくと、途中のバス停でみんな降りていって、バス内の人がどんどん少なくなった。僕達は終点に近いバス停で降りて、そこから家まで歩いて行った。夜はよけいに冷えるので、僕達はくっつき会って早歩きで帰った。
家に着いてすぐに彼女はシャワーを浴びに行った。寒くて仕方なかったんだろう。僕はその間布団にくるまって暖をとっていた。彼女がシャワーを終えて出てきてすぐに、僕もシャワーを浴びて暖まった。シャワーから出て髪を乾かし、僕達は買ってきたスイーツを食べることにした。お風呂上がりのスイーツは良いものだ。寒い冬に食べる冷たいスイーツは何故か美味しく感じるものである。彼女はシュークリームを、僕はチーズタルトを食べた。途中で彼女が僕のチーズタルトを欲しがるので一口あげた。僕達は飲み物を用意するのも忘れていたので、僕は彼女にコーヒーを、自分にココアを入れて呑んだ。スイーツと飲み物で至福のひとときを二人で味わうことが出来た。何かを食べる時テーブルで食べるとすごく寒いので、こたつでも置こうかという話になった。一人暮らしではあまり置かないものな気がして置いていなかったが、二人になったし置こうかなと思った。冬はまだまだ続く、日本の冬は長すぎる。一人で寂しいいつもの冬はとてもとても長かった。彼女と過ごせば1月2月はきっと一瞬出過ぎ去るんだろう。年末はどんな風に過ごすんだろうか、そんなことを1人で妄想した。
+屋上の君にココアを+ 何気ない日常の幸せを君に贈るために 僕は今日も君と生きる 絶佳(ぜっか) @Zekka27
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