第8話 ねむねむ彼女 (2日目〜3日目)
深夜2時くらいに僕は起きてしまった。僕が起き上がろうとすると、それに気づいて彼女が起きてしまった。
「ごめん、起こしちゃったね」
「いいよ」
彼女はまだ眠そうだった。
「シャワー浴びてなかったから浴びてくるね」
「うん」
僕はシャワー浴びにいった。半ば眠りかけながらシャワー浴びて体を拭き、ドライヤーで髪を乾かしベッドに戻った。
「シャワー浴びないの?」
彼女はまだ眠そうだったが、僕に聞かれて起き上がった。
「浴びてくる〜」
ふらつきながら彼女はお風呂場に向かった。僕もまた眠かったので、ベッドに寝っ転がってウトウトしていた。
しばらくして彼女が出てきて、ベッドに倒れ込んだ。よっぽど眠いみたいだ。彼女は髪を乾かしていなかった。
「髪乾かさないの〜?髪の毛痛むよー」
「んんー」
眠いから乾かしたくないらしい。しょうがない、僕が乾かしてあげるしかないか。僕は立ち上がってドライヤーを取ってきて、うつ伏せに寝ている彼女の髪にドライヤーを当てた。人の髪を乾かすのは意外と難しい。同じ場所に当てすぎると熱くなりすぎて髪が痛んでしまう。女性は長い髪を毎日乾かさなければいけなくて、とても大変だろうなと思った。
そこそこの時間をかけて彼女の髪を乾かした。
「乾いたよー」
「ありがと」
彼女は起き上がってキッチンに行き、飲み物を飲んでから戻ってきて、またベッドに倒れ込んだ。
僕はドライヤーを戻しに洗面に行ってドライヤーを置き、同じくベッドに戻って倒れ込んだ。
二人とも疲労の限界だった。僕は電気を消した。
「おやすみ」
と彼女に言ったが、彼女からの返事はない。彼女は先に寝てしまったようだ。僕も直ぐに眠りについてしまった。
朝になった。遮光カーテンの隙間からほんの僅かに朝日が差し込んできている。先に目が覚めたのは僕だった。今日は土曜日なので大学の講義はない。貴重な休みの日だ。もう一度寝ようと思ったがなかなか寝れず、僕は彼女の寝顔をずっと見ていた。可愛らしい寝顔だ。普段少し気の強い彼女が、こんなにも無防備な顔をして眠っている。こういうのをギャップ萌えと言うんだろうか。しばらく眺めていると、彼女が目を覚ました。彼女を見つめていたので、起きた瞬間の彼女と目が合ってしまった。
「おはよう」
「おはよ、寝顔あんまり見ないでよ、恥ずかしいから」
「可愛いからいいじゃん」
素直にそう言ってしまった。彼女は少し恥ずかしそうな顔をした。
「やめてよ朝から恥ずかしい」
「いいじゃん」
彼女は枕に顔を埋めてまた寝始めた。僕は横でスマホをいじった。休日の朝はいいものだ、思う存分ゆっくり出来る。今日は彼女と何をしようか、家でゴロゴロしていてもいいな、そんなことを考えていた。
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